
ツーホイールズライフ
こんにちは。ツーホイールズライフ、運営者の「S」です。
2025年も後半に入り、そろそろCB1000Rの納期について知りたいと思って検索をかけても、明確な納車時期がわからずモヤモヤしているのではないでしょうか。生産終了のアナウンスから時間が経ち、新車がまだ手に入るのか、それとも中古市場で探すべきなのか、判断に迷う時期ですよね。特にブラックエディションのような人気モデルを狙っている場合、全国のどこに在庫があるのか、自分の住む地域までどれくらいで届くのかといった物流の事情も気になるところです。この記事では、現在の市場データを基に、あなたが今すぐ取るべき行動について整理してお話しします。
記事のポイント
- 現在CB1000Rの新車納期という概念は消滅し「在庫探し」のみになっている現状
- プレミア価格がついているブラックエディションと値頃感のある前期型の価格差
- 遠隔地の店舗から車両を取り寄せる際にかかる具体的な期間とコストの目安
- 後継機CB1000ホーネット登場後もCB1000Rの価値が下がらない理由
生産終了後のCB1000R納期と在庫の現状
かつてのように販売店で注文してから工場での生産を待つという「納期」は、現在のCB1000Rには存在しません。ここでは、2025年現在における市場のリアルな供給状況と、ユーザーが直面している「在庫探索」という新たなフェーズについて詳しく解説します。

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CB1000R生産終了による供給の完全停止
まず、私たちが直面している現実を正確に共有しておきましょう。ホンダの公式サイトでもアナウンスされている通り、CB1000Rのメーカー生産ラインは2024年7月をもって完全に停止しました。(出典:Honda公式サイト『CB1000R スペック・サイズ』)これは一時的な受注停止や生産調整ではなく、モデルライフの終了を意味します。つまり、ホンダの工場から新しいCB1000Rが出荷されることは、今後二度とありません。
私たちが今「納期」というキーワードで検索するとき、その言葉の意味は根本から変わってしまっています。かつては「契約してから工場で組み立てられ、店舗に届くまでの期間」を指していましたが、現在は「全国のどこかの倉庫や店頭に残っている車両を見つけ出し、それを自分の手元まで引っ張り出してくるまでの時間」を指すことになります。この認識の転換ができていないと、販売店で「納期はいつですか?」と尋ねても、「そもそも注文をお受けできません」という冷たい返答を受け取ることになってしまいます。
2025年11月の現時点において、未登録の新車を見つけることは、砂漠で水を探すような作業に近くなっています。もし奇跡的に近所のホンダドリーム店で在庫を見つけたなら、それは運命的な出会いです。その場で契約すれば、納車整備と登録手続きにかかる1〜2週間程度で乗り出すことができるでしょう。しかし、そんな幸運は稀です。基本的には、全国の中古車市場ネットワークを駆使するか、「新古車」として流通している登録済み未使用車を探すことになります。納期を決定づけるのは、メーカーの生産能力ではなく、あなたの「検索能力」と「遠隔地の在庫を取り寄せる決断力」なのです。
ここがポイント
- メーカーへの新規発注は不可能。市場にある「流通在庫」が全て。
- 「納期の目安」は、整備期間+物理的な移動距離(輸送期間)で決まる。
- 地元に在庫がなければ、県外からの陸送期間(2〜3週間)を最初から計算に入れる必要がある。
CB1000Rブラックエディションの在庫状況
特に市場で激しい争奪戦が繰り広げられているのが、全身を漆黒で包んだ特別仕様車「ブラックエディション(Black Edition)」です。このモデルは、CB1000Rのモデルライフ後半に投入され、その洗練されたスタイリングで爆発的な人気を博しました。燃料タンクからマフラー、サブフレームに至るまで徹底的にブラックアウトされた外観は、カスタム車のような威圧感と高級感を純正状態で実現しており、多くのライダーの心を掴んで離しません。
私が独自に市場在庫データを分析したところ、興味深いことに在庫の分布には地域的な偏りが見られました。首都圏(東京・神奈川・埼玉)や関西圏(大阪・兵庫)といった大都市部では、回転が速く在庫はほぼ枯渇状態です。しかし、少し視点を広げて山口県や沖縄県、あるいは北陸地方の一部店舗を見てみると、まだ走行距離が極めて少ない、あるいは未走行のブラックエディションが残っているケースが確認されています。
ただし、価格設定は非常に強気です。新車時のメーカー希望小売価格が約171万円だったのに対し、現在の市場での支払総額は178万円〜180万円前後で推移しています。「中古車なのに新車価格を超えているのか?」と驚かれるかもしれませんが、これこそが「供給停止」が生み出す希少価値の力です。需要に対して供給が完全に断たれた今、価格決定権は完全に売り手市場に移行しています。同じく生産終了によって大きな話題となったCB1300シリーズの予約状況を見てもわかるように、歴史ある名車が姿を消す際の市場の過熱ぶりは凄まじいものがあります。欲しいと思ったその瞬間が、間違いなく最安値での「買い時」なのです。
ファイナルエディション不在の確定情報

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CB1000Rの購入を躊躇している方の中には、「もう少し待っていれば、CB400SFの時のような豪華な『ファイナルエディション』が出るのではないか?」という期待を抱いている方も少なからずいらっしゃるようです。確かにホンダは過去に、生産終了モデルに対して特別なカラーリングや装備を施したファイナルモデルを設定することがありました。しかし、CB1000Rに関しては、その可能性はゼロであると断言できます。
ホンダは既に生産終了を正式にアナウンスしており、工場のラインも閉じています。一部のメディアやSNSでは「CB-Fコンセプト」の市販化や、特別なラストモデルの噂が飛び交うこともありましたが、それらは全て否定されました。実質的には、先ほど触れた「ブラックエディション」こそが、CB1000R(SC80型)の最終完成形であり、事実上のファイナルモデルという位置付けになります。
検索エンジンで「CB1000R 納期 発売日」といったキーワードを探っているユーザーもいますが、彼らに伝えたいのは残酷な現実です。「待っていても新しいカタログモデルは登場しない」のです。むしろ、待てば待つほど、市場に残っている状態の良いブラックエディションは他の誰かに買われて姿を消していきます。不確かな「ファイナルエディション」の幻影を追うのではなく、現存する最高の個体を確保することに全力を注ぐべきフェーズに来ています。
CB1000Rの中古価格が高騰している理由
なぜ、CB1000Rの中古相場はこれほどまでに高止まりし、一部では新車価格を超えるプレミアがついているのでしょうか。単に「生産終了したから」という理由だけではありません。そこには、CB1000Rが持つ独自の「デザイン哲学」と「メカニズムの希少性」が深く関わっています。
最大の特徴は、「ネオ・スポーツ・カフェ」というデザインコンセプトと、ホンダのリッターネイキッドとしては極めて珍しい「片持ちスイングアーム(プロアーム)」の採用です。プロアームは、元々は耐久レースでのタイヤ交換を迅速に行うために開発された技術ですが、その機能美と、右側から見た時にホイール全体が露出する美しいスタイリングは、多くのファンを魅了してきました。しかし、この機構は製造コストが高く、重量面でも不利になることがあります。
2025年に登場した新型車や他メーカーのライバル車は、コストパフォーマンスと絶対的な軽さを追求し、一般的な「両持ちスイングアーム」を採用しています。これにより、CB1000Rのプロアームは、現代のバイク市場において「失われた技術(ロストテクノロジー)」化してしまいました。スペック上の馬力や電子制御の数よりも、「所有する喜び」や「造形の美しさ」に対価を支払うユーザーにとって、このプロアームを持つCB1000Rは唯一無二の存在なのです。CB400SFの中古車市場でも、4気筒エンジンというメカニズムの希少性が価格を高騰させたように、CB1000Rもまた、その構造的な美しさゆえに価値が守られ続けているのです。
後継モデルのCB1000ホーネットとの比較
購入を検討する上で避けて通れないのが、後継機として登場した「CB1000ホーネット」との比較です。2025年1月に市場投入されたこのモデルは、CB1000Rとは全く異なるアプローチで開発されました。ストリートファイター色を前面に押し出し、徹底的なコストダウンと最新デバイスの搭載を両立させています。
| 比較項目 | CB1000R (SC80) | CB1000ホーネット |
|---|---|---|
| デザインコンセプト | ネオ・スポーツ・カフェ (大人の上質感) | ストリートファイター (攻撃的な若々しさ) |
| スイングアーム | 片持ち(プロアーム) ※希少価値大 | 両持ち ※一般的 |
| 価格動向 | 高値維持・上昇傾向 (中古約150〜178万円) | 戦略的低価格 (新車約134万円〜) |
| 納期・入手性 | 即納〜1ヶ月 (在庫探索が必要) | 安定供給 (新車注文可能) |
| ターゲット層 | 質感・所有感を重視する層 | コスパ・最新性能を重視する層 |
表を見れば明らかなように、もしあなたが「丸目ヘッドライト」や「プロアームの美しさ」に固執せず、最新のトラクションコントロールやコネクテッド機能、そしてコストパフォーマンスを最優先にするなら、迷わずCB1000ホーネットの新車を選ぶべきです。新車流通網に乗っているため、納期も安定しており、保証も手厚いでしょう。
しかし、CB1000Rのデザインに惚れ込んでいるのであれば、ホーネットは決して代替品にはなり得ません。むしろ、ホーネットが安価で攻撃的なデザインで登場したことによって、CB1000Rが持っていた「大人の上質なネイキッド」という立ち位置がより際立つ結果となりました。価格差があっても、CB1000Rを指名買いする価値は、この明確なキャラクターの違いにあります。
CB1000Rの納期を早める中古車購入戦略
新車が存在しない以上、納期をコントロールする鍵は、メーカーではなくユーザー自身の行動力に委ねられています。「いかに素早く、条件に合う中古車を見つけ、配送手配を済ませるか」。ここでは、少しでも早く、そして賢くCB1000Rを手に入れるための具体的な戦略をお伝えします。

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CB1000Rの中古相場と年式別の価格差

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CB1000R(SC80型)の中古車市場は、年式によって価格帯と装備内容が明確に二極化しています。ここを正しく理解しておくと、予算と「納期(入手しやすさ)」のバランスを最適化できます。
まず、コストパフォーマンスと納期の早さを重視するなら、2018年〜2020年の前期型が圧倒的な狙い目です。この時期のモデルは市場流通量が最も多く、全国の販売店で見つけやすいため、結果として「近くの店にある=納期が早い」という状況を作りやすいのです。価格も走行距離によりますが、総額110万円〜120万円程度で質の高い車両が手に入ります。クイックシフターがオプション扱い(または設定なし)だったり、メーターがモノクロ液晶だったりと装備差はありますが、エンジンのフィーリングや基本骨格の美しさは後期型と変わりません。
一方、2021年以降の後期型は、TFTフルカラー液晶メーターやスマートフォン連携機能(HSVCS)が搭載され、デザインも細部がリファインされています。こちらは非常に人気が高く、市場に出回る台数も少ないため、競争率が激しいのが特徴です。買取相場も100万円を超えており、店頭販売価格は150万円台後半から、ブラックエディションなら180万円近くになります。「高くても最新装備が良い」という方は、常に中古車サイトを監視し、掲載された瞬間に電話をかけるくらいのスピード感が求められます。
Sのメモ:
「とにかく早く乗り出したい!」という方は、迷わず前期型を探してみてください。タマ数が多いので、色や状態をじっくり選べる余裕がありますし、浮いた予算でカスタムを楽しむのもアリですよ。
納期を左右する地域別の在庫偏在と傾向
中古車探しにおいて見落としがちなのが「地域による在庫の偏り」です。先ほどブラックエディションの例でも触れましたが、CB1000Rの良質な在庫は、意外にも西日本エリアに点在している傾向があります。私のリサーチでは、広島県、岡山県、長崎県、そして沖縄県の販売店に、走行距離数千キロ台の「極上車」が残っているケースが散見されました。
首都圏や大都市部の在庫は、人口が多い分だけ回転が速く、ネットに掲載されて数日で「商談中」や「売約済み」になることが日常茶飯事です。一方、地方都市の店舗では、地元の需要が一巡した後、ひっそりとショールームに飾られたままの車両があるのです。「CB1000R 納期」で検索する際は、検索フィルターの地域設定を「自宅から50km圏内」などで絞り込まず、思い切って「全国」に広げる覚悟が必要です。
「遠くの店から買うのは不安だ」と思われるかもしれませんが、今の時代、多くの販売店がリモート商談や詳細な画像・動画の送付に対応しています。特に状態の良いブラックエディションを探すなら、LCC(格安航空会社)や新幹線を使って現車確認に行き、その場で契約書にハンコを押して帰ってくる。それくらいの行動力が、結果的に誰よりも早く、最高のCB1000Rを手に入れる最短ルートになります。
SC80型CB1000Rの市場評価と資産価値
高い金額を出して中古車を買う際、どうしても気になるのが「買った後に価値が下がらないか(リセールバリュー)」という点でしょう。結論から言えば、SC80型、特に後期モデルとブラックエディションの資産価値は、今後も非常に高い水準で安定すると予測されます。
中古バイクの買取業者のデータを分析すると、SC80後期型の買取相場は現在も100万円台を堅守しており、これは同年代の他のリッターバイクと比較してもトップクラスのリセール率です。生産終了によって市場への総供給数が固定されたため、今後「新車が大量に供給されて中古相場が暴落する」というリスクが物理的に消滅しました。むしろ、年数が経過して状態の良い個体が減っていけばいくほど、現存する車両の価値は相対的に上がっていきます。
「180万円は高い買い物だ」と感じるかもしれませんが、「資産として手元に残るバイク」だと考えれば、視点は変わります。数年乗って楽しんだ後でも、それなりの価格で手放せる可能性が高い。そう考えれば、多少の輸送費(数万円)をかけて遠方から極上車を取り寄せるという判断も、決して無駄な出費ではなく、賢い投資の一部と言えるのではないでしょうか。
遠隔地からの輸送期間と納期の目安

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では、実際に遠方の在庫を購入した場合、手元に届くまでの具体的な「納期」はどれくらいになるのでしょうか。ここでは、東京在住のあなたが、在庫の豊富な沖縄県の販売店からCB1000Rを購入するという、最も時間がかかるケースでシミュレーションしてみましょう。
- 商談と契約(1週間): 問い合わせから始まり、見積もりの確認、ローン審査、契約書の郵送やり取りなどで約1週間を要します。
- 納車整備と登録(1週間): 契約完了後、販売店で油脂類の交換や最終チェック、そしてナンバー登録(行政書士による代行含む)が行われます。
- 陸送・フェリー輸送(2週間〜3週間): ここが最大のボトルネックです。沖縄から東京(有明港など)への海上輸送には5〜7日かかります。さらに、港からデポ(配送拠点)、デポから自宅への配送を含めると、物流だけで2週間以上が必要です。
トータルで見ると、「契約してから約1ヶ月〜1ヶ月半」が納期の目安となります。特に沖縄からの輸送は、台風シーズンや海の荒れ具合によってフェリーが欠航し、予定より1週間以上遅れることも珍しくありません。また、陸送費用も安くて4〜5万円、大手業者に依頼すればそれ以上かかります。
しかし、近場のショップでいつ出るかわからない在庫を何ヶ月も待ち続けるよりは、1ヶ月という明確な期間で確実に手に入る遠方購入の方が、精神的な「納期」は短いと言えるかもしれません。この期間を「待ち遠しい時間」として楽しめるかどうかが、CB1000Rオーナーになるための最後のハードルです。
注意点
遠隔地購入(通信販売)の場合、クーリングオフが適用されないケースがほとんどです。車両の傷、エンジンの始動状態、消耗品の残量などは、必ず契約前に高画質の画像や動画で確認してください。また、購入後のトラブルに備えて、最寄りのホンダドリーム店や信頼できるショップでメンテナンスを受け入れてもらえるか、事前の根回しも重要です。
まとめ:CB1000Rの納期は物流距離で決まる
現在のCB1000R市場において、「納期」とはもはやメーカーの生産スケジュールに依存するものではありません。それはシンプルに、「あなたと、探し出した在庫車両との物理的な距離」そのものです。近所の店にあれば1週間、北海道や沖縄にあれば1ヶ月。これが2025年における「CB1000Rの納期」の正体です。
もしあなたが本気でCB1000R、とりわけブラックエディションをガレージに迎え入れたいと願うなら、地元の店舗に入荷するのを待つという受動的な姿勢は捨ててください。今この瞬間にも、全国のどこかで「最後の一台」が商談中になり、誰かの手に渡ろうとしています。
スマートフォンやPCを駆使して全国の在庫をくまなくチェックし、良さそうな個体があれば、たとえそれが日本の反対側にある店舗であっても、すぐに電話をかけて問い合わせる。その一歩踏み出す行動力と、多少の輸送コストを許容する決断力こそが、憧れのCB1000Rオーナーへの道を切り開く唯一の鍵となります。あなたの探している一台が、素晴らしいコンディションで見つかることを願っています。
以上、ツーホイールズライフの「S」でした。