
ツーホイールズライフ・イメージ
カワサキから待望の新型モデル、Z1100が欧州で発表され、バイクファンの間で大きな話題となっています。
この記事では、2025年Z1100モデルの詳細なスペック、気になる国内での価格予想、そしてベースとなったZ1000からの進化点について掘り下げていきます。
また、Z1000の新型を待ち望んでいた方々にとっても、今回のZ1100は注目の的でしょう。
さらに、この記事では、将来的に形成されるであろう中古市場の動向や、往年の名車であるZ1100スペクターやZ1100マーク2との関係性にも触れながら、新型Z1100の全貌を明らかにしていきます。
記事のポイント
- Z1100新型の主要スペックとデザインの特徴
- 従来モデルZ1000からの具体的な進化点
- 標準モデルとZ1100 SEモデルの装備の違い
- 国内販売価格の予想と日本での公開予定
Z1100新型モデルの注目ポイントを解説

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- 2025年モデルが欧州で登場
- デザインコンセプトは「Sugomi覚醒」
- TFTメーターとスマホ連携機能を搭載
- ベースとなったZ1000からの進化点
- Z1000の新型にはない先進の電子制御
2025年モデルが欧州で登場

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2025年9月26日、カワサキは欧州市場向けに2026年モデルとして新型「Z1100」および上位グレードの「Z1100 SE」を発表しました。この発表は、多くのカワサキファンや大型ネイキッドバイクの愛好家にとって、まさに朗報と言えるでしょう。欧州はストリートファイターモデルの人気が非常に高い地域であり、その激戦区でフラッグシップモデルを刷新したことは、カワサキのこのカテゴリーにかける強い意気込みの表れです。
そして、日本のファンにとって最も喜ばしいのは、その国内導入が正式にアナウンスされたことです。カワサキモータースジャパンの公式サイトでも国内導入予定であることが告知されており、2025年10月30日から開催される「Japan Mobility Show 2025」で国内初披露される予定です。このイベントは、国内外の最新モビリティが一堂に会する重要なショーケースであり、そこでのお披露目はZ1100への期待の高さを物語っています。具体的な発売時期や価格については、今後の公式発表が待たれますが、国内のバイク市場に新たな風を吹き込むことは間違いありません。
国内初公開の予定
イベント名: Japan Mobility Show 2025
期間: 2025年10月30日~11月9日
場所: 東京ビッグサイト
上記イベントで「Z1100 SE」が展示される予定です。気になる方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
デザインコンセプトは「Sugomi覚醒」

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新型Z1100のデザインは、2014年のZ1000から続くカワサキ独自の「Sugomi(スゴミ)」デザインをさらに進化させたものです。開発テーマに「Sugomi覚醒」を掲げ、これまで以上にアグレッシブで獰猛なスタイリングを実現しています。「Sugomi」とは、獲物を狙う猛獣が持つオーラや迫力をマシンデザインに落とし込むという思想であり、静止状態でも動きを感じさせる緊張感が特徴です。
具体的には、猛獣が低く身構える姿を彷彿とさせるクラウチングフォルムは健在です。鋭い眼光を思わせるLEDヘッドライトはZシリーズの象徴として継承しつつ、フィン付きの新設計アンダーカウルが追加されたことで、より凝縮感のある攻撃的なイメージが強調されました。このアンダーカウルは、デザイン上のアクセントだけでなく、エンジン下部への空気の流れを整流する効果も期待でき、機能美を体現しています。マシンに跨った瞬間からライダーを高揚させるデザインは、まさに「Z」シリーズの頂点に立つモデルとしての風格を感じさせます。
アンダーカウルが追加されたことで、マスの集中化が視覚的にも強調されていますね。Z1000が持つ唯一無二のデザインが、さらに洗練された印象です。他メーカーのストリートファイターとは一線を画す、カワサキらしいアイデンティティが光ります。
TFTメーターとスマホ連携機能を搭載

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現代のバイクに不可欠な装備となりつつある電子デバイスも、Z1100では最新仕様にアップデートされています。インストルメントパネルには、5インチのフルデジタルTFTカラー液晶メーターが採用されました。高精細で視認性に優れ、背景色(黒または白)の選択や、輝度の自動調整機能も備わっています。
さらに、このメーターはBluetoothを介したスマートフォンとの連携機能を備えています。カワサキ専用アプリ「Rideology the App Motorcycle」を介して、以下のような多彩な機能が利用可能です。
「Rideology the App」の主な機能
- 車両情報の確認: 燃料計、オドメーター、メンテナンススケジュールといった車両情報をスマートフォンで手軽に確認できます。
- ライディングログ: GPSを利用して走行ルート、距離、時間などを記録。バンク角などの情報も表示でき、自身のライディングを振り返る楽しさを提供します。
- 電話・メール着信通知: スマートフォンへの着信やメール受信をメーターパネル上にアイコンで表示。ライディングに集中しながらも、重要な連絡を見逃しません。
- ターンバイターンナビゲーション: 専用アプリではありませんが、対応アプリと連携することで、交差点までの距離や方向といった簡易的なルート案内をメーターに表示可能です。
- 車両設定の変更: ライディングモードやトラクションコントロールの設定などをスマートフォン上で変更し、車両に送信することもできます。
これらの機能により、ツーリング中の利便性が大幅に向上し、よりスマートで快適なバイクライフをサポートしてくれるでしょう。
ベースとなったZ1000からの進化点

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新型Z1100は、長年人気を博したZ1000の事実上の後継モデルです。デザインの類似性から、マイナーチェンジと捉える方もいるかもしれませんが、その中身は大きく進化しています。特にエンジンと車体、電子制御の面で大幅なアップデートが施されました。
ここでは、Z1000(最終型)と新型Z1100の主要スペックを比較してみましょう。
以下の表は横にスクロールしてご確認いただけます。
項目 | 新型 Z1100 | Z1000 (最終型) |
---|---|---|
エンジン | 水冷4ストローク並列4気筒 DOHC4バルブ | 水冷4ストローク並列4気筒 DOHC4バルブ |
排気量 | 1,099cc | 1,043cc |
最高出力 | 100.0kW (136PS) / 9,000rpm | 104.5kW (142PS) / 10,000rpm |
最大トルク | 113Nm (11.5kgf・m) / 7,600rpm | 111.0Nm (11.3kgf・m) / 7,300rpm |
スロットル | 電子制御(スロットルバイワイヤ) | 機械式 |
メーター | 5インチフルカラーTFT液晶 | モノクロ液晶 |
車両重量 | 221kg | 221kg |
排気量が56cc拡大された一方で、最高出力は6PS抑えられ、発生回転数も1,000rpm低くなっています。これは、年々厳しくなる排出ガス規制(Euro5+)に対応しつつ、公道走行で多用する常用域のトルクを重視したセッティングになっているためと考えられます。最大トルク自体は向上し、より低い回転数で発生するようになっているため、発進時や追い越し加速などで、より力強く扱いやすいフィーリングを体感できるでしょう。高回転まで回す刺激よりも、スロットルを開けた瞬間のレスポンスと力強さを優先した、現代的なストリートファイターのパワーユニットへと進化を遂げたのです。
Z1000の新型にはない先進の電子制御

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Z1100がZ1000から最も進化した点、それは先進的な電子制御ライダー支援機能の搭載です。Z1000にはABS以外の電子制御がほぼ搭載されていませんでしたが、Z1100はNinja 1000SX譲りの最新システムをフル装備しています。
その中心となるのが、Bosch(ボッシュ)製の6軸IMU(慣性計測ユニット)です。これは、ピッチ、ロール、ヨーの3軸の角速度と、前後、左右、上下の3軸の加速度をリアルタイムで検知するセンサーです。このIMUからの情報を基に、ECUがバイクの姿勢を正確に把握し、各種制御をより緻密に行うことが可能になりました。
主な電子制御機能
- KTRC (カワサキトラクションコントロール): IMUが検知した車体姿勢と前後ホイールの速度差から、スリップ率を予測。過度なリアタイヤのスリップを防ぎ、安定した加速をサポートします。特にコーナリング中のスリップ制御精度が格段に向上しています。
- KCMF (カワサキコーナリングマネジメントファンクション): IMUからの情報を基に、旋回中のエンジンパワー(KTRC)やブレーキ(KIBS)を統合的に管理するシステムです。これにより、ライダーが意図したラインをスムーズにトレースできるよう支援します。
- KIBS (カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム): いわゆるコーナリングABSです。旋回中に強くブレーキをかけても、車体が起き上がろうとする挙動を抑制し、タイヤのロックを防ぎます。
- ライディングモード: 「スポーツ」「ロード」「レイン」そして任意で設定可能な「ライダー」の4モードを搭載。モードに応じて、パワーデリバリー(フル/ロー)とKTRCの介入レベルが統合的に切り替わります。
- 双方向KQS (カワサキクイックシフター): 一定以上のエンジン回転数であれば、クラッチ操作なしでスムーズなシフトアップ/ダウンが可能です。
- クルーズコントロール: スイッチ操作一つで設定した速度を維持。高速道路などでの長距離走行時の右手の負担を大幅に軽減します。
これらの電子制御により、ライダーはさまざまな路面状況やライディングシーンで、より高い安心感を得られるとともに、バイクを意のままに操る本来の楽しみを、より深く享受できるようになります。これはZ1000にはなかった、新型Z1100の大きなアドバンテージです。
Z1100新型の価格と歴代モデルとの関係

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- 気になる国内販売価格
- 中古市場はどうなる?
- 往年の名車スペクターとは
- Z1100マーク2の系譜を継ぐ存在か
- 上位グレードSEモデルの豪華な装備
- まとめ:カワサキZ1100 新型モデルを徹底解説!
気になる国内販売価格

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現在、最も注目が集まっているのが日本国内での販売価格でしょう。2025年9月時点ではまだ公式な発表はありませんが、イギリスでの販売価格からある程度の予測が立てられています。
以下の比較表は横にスクロールしてご確認いただけます。
モデル名 | イギリスでの価格 | 日本国内での価格(税込) | 備考 |
---|---|---|---|
Z1100 | 11,099ポンド | - (予想: 160万円台後半) | - |
Z900 SE | 11,349ポンド | 161万7,000円 | Z1100が英国ではZ900SEより安い |
Ninja 1000SX | 14,149ポンド | 177万1,000円 | エンジンや多くの装備を共有 |
Z900 | 9,199ポンド | 148万5,000円 | - |
上記の表を見ると、イギリスではZ1100がZ900 SEよりも安価という、興味深い価格設定になっています。これは、市場の特性や税制の違いによる戦略的な価格設定と考えられ、単純な為替レートで日本価格を算出するのは困難です。
しかし、多くの装備を共有するツアラーモデル「Ninja 1000SX」が177万1,000円であること、そして下位モデルである「Z900」が148万5,000円であることを考慮すると、日本国内での販売価格は160万円台後半から170万円台前半になるのではないか、という見方が有力です。これは、強力なライバルとなるホンダのCB1000 HORNETやスズキのGSX-S1000といったモデルを意識した価格設定になることを示唆しています。
ご注意
ここに記載している価格は、海外での価格設定や競合モデルとの比較を基にしたあくまで「予想」です。正式な価格は、株式会社カワサキモータースジャパンからの公式発表をお待ちください。
中古市場はどうなる?

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新型Z1100の登場は、中古バイク市場にも少なからず影響を与える可能性があります。まず、直接的な前身モデルであるZ1000の中古価格が変動することが考えられます。
一般的には、新型への乗り換えを検討するユーザーが手放すことで、Z1000の中古車在庫が増加し、結果として平均価格が緩やかに下落する可能性があります。特に電子制御を好まず、よりダイレクトな乗り味を求めるライダーにとっては、コンディションの良いZ1000をお得に手に入れる良い機会となるかもしれません。
一方で、Z1000の最終型は「ABS以外の電子制御を持たない最後のリッターZ」として、その希少価値から逆に相場が安定、あるいは高まる可能性も否定できません。これは今後の市場の動向を注視する必要があります。
新型Z1100自体が中古市場に出回るのは、発売から最低でも半年から1年が経過してからになるでしょう。発売直後は人気が集中し、新車が品薄になることも予想されるため、もし中古車が出たとしても、新車価格に近い高値で取引される状況が続くと考えられます。
往年の名車スペクターとは

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Kawasaki Z1100 Spectre (KZ1100A)
1982年から1983年にかけて主に北米市場で販売された、GPz1100の空冷エンジンをベースとするクルーザーモデル。メンテナンスフリー性に優れるシャフトドライブ、特徴的なティアドロップタンク、段付きシートなどを採用し、当時のアメリカンスタイルを色濃く反映していました。
「Z1100」と聞いて、往年のカワサキファンの中には「z1100スペクター」を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、結論から言うと、今回の新型Z1100とz1100スペクターには直接的な血統の繋がりはありません。
z1100スペクターは、空冷4気筒エンジンを搭載した80年代のクルーザー(アメリカン)バイクです。一方で、新型Z1100は最新の水冷4気筒エンジンを搭載した現代のストリートファイターであり、そのコンセプト、デザイン、走行性能など、目指す方向性は全く異なります。車名こそ同じ数字を冠していますが、完全に別のモデルラインとして捉えるのが正しいでしょう。
Z1100マーク2の系譜を継ぐ存在か

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同様に、「Z1100マーク2」という言葉にピンとくる方もいるでしょう。これはおそらく、今なお絶大な人気を誇る伝説的名車「Z1000MkII(マークツー)」のことを指していると思われます。
Z1000MkIIは、1979年から1980年にかけて販売された空冷Zシリーズの集大成ともいえるモデルで、丸みを帯びたそれまでのZとは一線を画す、直線基調の精悍なデザインが特徴でした。その伝統的なスタイリングと空冷エンジンのフィーリングを受け継ぐ現行モデルは、ネオクラシックカテゴリの「Z900RS」シリーズがその役割を担っています。
したがって、新型Z1100はZ1000MkIIの直接的な後継機ではありません。しかし、「サーキットでのラップタイムよりも、ストリートでいかにライダーを昂らせるか」という、カワサキの「Z」が誕生以来持ち続ける根源的な思想は、アグレッシブなスタイリングとトルクフルなエンジンを持つ新型Z1100にも色濃く受け継がれていると言えるでしょう。
血統は違えど、カワサキの最強ネイキッドとしての「魂」は共通している、ということですね! Z900RSが「伝統」を継承するZなら、Z1100は「革新」を続けるZと言えるかもしれません。
上位グレードSEモデルの豪華な装備

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新型Z1100には、標準モデルに加えて、足回りを中心にコンポーネントをアップグレードされた「Z1100 SE」がラインナップされています。より高いパフォーマンスと所有感を求めるライダーにとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
標準モデルとSEモデルの主な違いは、世界トップクラスのブランドパーツの採用にあります。
装備 | Z1100 SE | Z1100 (標準モデル) |
---|---|---|
フロントブレーキキャリパー | Brembo製 M4.32モノブロックキャリパー | TOKICO製 ラジアルマウントモノブロックキャリパー |
フロントブレーキディスク | Brembo製 ø310mm ディスク | ø310mm ディスク |
フロントブレーキホース | ステンレスメッシュホース | ラバーホース |
リアショックアブソーバー | Öhlins製 S46リアショック | ホリゾンタルバックリンク式モノショック |
その他 | リモート式プリロードアジャスター | - |
カラーリング | メタリックマットグラフェンスチールグレー / メタリックマットカーボングレー | エボニー / メタリックカーボングレー |
SEモデルでは、ブレーキシステムがイタリアのブレンボ社製に、リアサスペンションがスウェーデンのオーリンズ社製に換装されています。ブレンボ製キャリパーは、高い剛性による優れたコントロール性と耐フェード性を発揮し、ステンレスメッシュホースと相まって、よりダイレクトなブレーキタッチを実現します。また、オーリンズ製リアショックは、路面追従性に優れ、しなやかで質の高い乗り心地を提供します。工具を使わずにリアのプリロードを調整できるリモートアジャスターも装備しており、タンデムや積載状況に応じて素早くセッティングを変更できる点も大きなメリットです。外観上も、ゴールドに輝くオーリンズのリアショックやフロントフォークのアウターチューブが、特別なモデルであることを強く主張します。
まとめ:カワサキZ1100 新型モデルを徹底解説!
この記事では、カワサキの新型モデル「Z1100」および「Z1100 SE」について、現在公開されている情報を基に詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをリストで振り返ります。
- Z1100はZ1000の事実上の後継モデルとして欧州で発表された
- 2026年モデルとして2025年9月に公開された
- デザインコンセプトは「Sugomi覚醒」でよりアグレッシブに
- エンジンは1099ccに排気量アップし中低速トルクを重視
- 最高出力は136PS/9,000rpm、最大トルクは113Nm/7,600rpm
- 6軸IMUを搭載しコーナリングABSやトラコンなど電子制御が満載
- 電子スロットルやクイックシフター、クルーズコントロールも装備
- メーターは5インチのフルカラーTFT液晶を採用
- スマホ連携機能「Rideology the App」に対応
- 上位グレードのSEはブレンボ製ブレーキとオーリンズ製リアサスを搭載
- 日本国内への導入が決定しておりJMS2025で初披露される
- 国内販売価格は160万円台後半からと予想される
- Z1000の中古相場に影響を与える可能性がある
- z1100スペクターやZ1000MkIIとの直接的な繋がりはない
- カワサキのストリートファイターの頂点に立つモデルである
多くのライダーが待ち望んだZシリーズの新たなフラッグシップ。日本での正式な発売が今から待ち遠しい一台です。