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ヤマハの新星、XSR125の購入を検討中、あるいは既にオーナーとなり、自分だけの特別な一台に仕上げたいと考えている方も多いのではないでしょうか。XSR125の魅力は、そのままでも完成されたネオレトロスタイルにありますが、カスタムすることでその個性は無限に広がります。
この記事では、定番の カフェレーサー仕様から、冒険心をくすぐる スクランブラーカスタム、そして無骨さが魅力のボバーカスタムまで、様々なカスタムの方向性をご紹介します。さらに、理想のスタイルを実現するために欠かせないカスタムパーツの選び方、特に印象を大きく左右するカスタムマフラーの選定ポイント、さらには走りの質を高めるパワーアップの秘訣に至るまで、あなたの「知りたい」に徹底的に応えます。
この記事で分かる事
- XSR125の代表的なカスタムスタイルの特徴と違い
- 各スタイルを実現するためのおすすめカスタムパーツ
- マフラー交換によるパワーアップと注意点
- 失敗しないためのカスタムパーツ選びの総合的な知識
理想のXSR125フルカスタム像を見つけよう

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- はじめに知るカスタムの多様性
- 王道スタイルを追求するカフェレーサー
- 冒険心をくすぐるスクランブラーカスタム
- 無骨で低いシルエットのボバーカスタム
- 性能を底上げするパワーアップ術
はじめに知るカスタムの多様性

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XSR125のカスタムは、「一つの正解」がないからこそ奥深く、楽しいものです。ヤマハの125ccクラスとは思えない本格的な車格と、オーセンティックなデザインを持つこのバイクは、オーナーの個性を反映させるための最高のキャンバスと言えます。まずは、どのようなカスタムの方向性があるのかを知ることから始めましょう。
主なスタイルとして挙げられるのは、「カフェレーサー」「スクランブラー」「ボバー」の3つです。これらはバイクの歴史の中で生まれてきた伝統的なカスタムスタイルであり、XSR125のネオレトロな雰囲気と抜群の相性を見せます。それぞれのスタイルには明確な特徴があり、目指す方向性によって選ぶべきパーツも大きく変わってきます。あなたが思い描く理想のXSR125は、どのような姿をしているでしょうか。次のセクションから、各スタイルの具体的な魅力とパーツ選びについて掘り下げていきます。
カスタムの第一歩
まずは自分が「カッコいい」と思えるスタイルを見つけることが、満足のいくカスタムへの近道です。焦らず、じっくりと理想のイメージを膨らませていきましょう。
王道スタイルを追求するカフェレーサー

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XSR125カスタムの王道といえば、やはり「カフェレーサー」スタイルです。1960年代のイギリスで生まれたこのスタイルは、カフェに集まる若者たちが自らのバイクをレース仕様に改造したことが起源とされています。その特徴は、低く構えた攻撃的なライディングポジションと、クラシカルで流麗なシルエットにあります。
このスタイルを実現するためのキーパーツは、「ビキニカウル」「セパレートハンドル(風の低いハンドル)」「シングルシートカウル」の3つです。特にフロントカウルはバイクの顔となる重要なパーツで、ワイズギアの「ビキニカウル」や、アルマックス製の「フロントカウル カフェレーサー」などが代表的な選択肢となります。ハンドルを低くすることで前傾姿勢が生まれ、一気にレーシーな雰囲気になります。ただし、見た目と引き換えに快適性はやや損なわれるため、長距離ツーリングを主目的とする方は注意が必要です。
カフェレーサースタイルの注意点
前傾姿勢が強くなるため、手首や腰への負担が増加する可能性があります。特に長時間の運転では、ノーマルポジションとの違いを顕著に感じるでしょう。見た目だけでなく、ご自身のライディングスタイルとの相性も考慮することが大切です。
パーツ種別 | 特徴 | 代表的な製品例 |
---|---|---|
フロントカウル | バイクの顔となり、レーシーな雰囲気を演出する。防風効果も期待できる。 | ワイズギア ビキニカウル、アルマックス フロントカウル |
ハンドル | 低いハンドルバーで前傾姿勢を作る。見た目の変化が大きい。 | グッズ ダークバー/コンフォート、キジマ トラッカーハンドル |
シート/シートカウル | シングルシート風にすることで、テール周りをスッキリさせ、一体感を出す。 | ワイズギア カスタムシート、パワーブロンズ シートカウル |
冒険心をくすぐるスクランブラーカスタム

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「スクランブラー」は、オンロードバイクをベースに、オフロード走行もこなせるように改造したスタイルです。その起源は古く、未舗装路が多かった時代のレースシーンに遡ります。現代のスクランブラーカスタムは、都会的なファッション性と、どこへでも行けるような冒険心を両立させたスタイルとして人気を博しています。
XSR125をスクランブラースタイルに仕上げるには、幅の広いアップハンドル(トラッカーハンドル)や、ブロックパターンのタイヤが効果的です。キジマからリリースされている「トラッカーハンドル」は、手軽にスクランブラーらしい雰囲気を演出できます。また、オフロードテイストを強調するために、パワーブロンズの「アンダーガード」や、ワイズギアの「プロテクションパッド」を追加するのも良いでしょう。カフェレーサーとは対照的に、アップライトで快適なライディングポジションになるため、街乗りからツーリングまで幅広く対応できるのが大きなメリットです。
スクランブラースタイルは、見た目のワイルドさだけでなく、実用性も高いのが魅力ですね。ちょっとした林道やキャンプツーリングにも繰り出してみたくなる、そんなアクティブな一台に仕上がりますよ!
無骨で低いシルエットのボバーカスタム

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「ボバー」スタイルは、第二次世界大戦後のアメリカで、軍用バイクを街乗り用に改造したことから始まったと言われています。その本質は「引き算の美学」にあり、走行に不要なパーツを徹底的に取り払った、シンプルで無骨なスタイルが特徴です。
ボバースタイルの要は、「ロー&ロング」なシルエットです。これを実現するために、前後フェンダーを短くカット(ボブ化)したり、一人乗り用の低いシートに交換したりします。グッズ(GOODS)から販売されている「XSR125 ローダウン カフェレーサースタイルシート」や「フェンダーレスキット スムースダーク」は、まさにボバースタイルを目指す上で最適なパーツです。ハンドルも低めのものを選び、全体的に低く構えたシルエットを意識することで、より本格的な雰囲気が生まれます。機能性よりもスタイルを優先する、玄人好みのカスタムと言えるでしょう。
「ボバー」の豆知識
「ボブ(bob)」には「短く切り詰める」という意味があります。リアフェンダーを短く切り落とす(bobbed fender)スタイルが象徴的だったことから、「ボバー」という名前が定着しました。
性能を底上げするパワーアップ術

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カスタムは見た目だけでなく、走り、つまり「パワーアップ」も追求したいという方も多いはずです。XSR125は、ヤマハ最新の水冷単気筒エンジンとVVA(可変バルブ機構)を搭載しており、125ccクラスとは思えないパワフルな走りを実現しています。しかし、カスタムによってそのポテンシャルをさらに引き出すことが可能です。
パワーアップの最も効果的な手段は、マフラーの交換です。特に、エキゾーストパイプからサイレンサーまでを一体で交換する「フルエキゾーストマフラー」は、排気効率を大幅に向上させ、中〜高回転域でのパワーとトルクの向上が期待できます。ワイズギアのラインナップにある「アクラポビッチ フルエキゾーストマフラー」や、MIVV、IXILといった海外ブランド製マフラーが主な選択肢です。軽量な素材で作られているものが多く、パワーアップと同時に車体の軽量化にも貢献します。
マフラー交換時の重要注意点
マフラーを交換する際は、必ずJMCA(全国二輪車用品連合会)の認証プレートが付いた、車検対応・公道走行可能な製品を選んでください。認証のないマフラーは騒音規制や排出ガス規制に適合せず、公道を走行すると法律違反になる可能性があります。購入前に必ず適合情報を確認しましょう。
XSR125フルカスタムを実現するパーツカタログ

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- 最初にチェックしたいカスタムパーツ
- サウンドと見た目で選ぶカスタムマフラー
- スタイリングを決定づける外装系パーツ
- 操作性と快適性を向上させる機能系パーツ
- 乗り心地を調整するローダウンとシート
- まとめ:XSR125フルカスタム虎の巻!パーツとスタイル解説
最初にチェックしたいカスタムパーツ

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フルカスタムと聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、まずは比較的手軽に交換できて、見た目の変化が大きいパーツから始めるのがおすすめです。ここでは、カスタムの第一歩として最適なパーツをいくつかご紹介します。
印象をガラッと変える外装パーツ
フェンダーレスキットは、リア周りをスッキリさせ、軽快な印象を与えるための定番カスタムです。ワイズギアやキジマ、グッズなど複数のメーカーから販売されており、デザインや価格も様々です。また、タンク周りのアクセントとなるプロテクションパッドも、手軽ながら満足度の高いパーツ。傷防止という実用的な役割も兼ね備えています。
機能性とデザインを両立するパーツ
純正シートも優秀ですが、カスタムシートに交換することで、足つき性が向上したり、スタイルに合わせたデザインを取り入れたりできます。ワイズギアのカスタムシートはビンテージな雰囲気を高めてくれます。また、転倒時のダメージを軽減するクランクケースカバーなども、ドレスアップ効果と実用性を兼ね備えた人気のパーツです。
まずはこのあたりのパーツから始めて、少しずつ自分色に染めていくのが楽しいですよ。一つのパーツを交換するだけでも、バイクへの愛着がぐっと深まります!
サウンドと見た目で選ぶカスタムマフラー

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前述の通り、マフラーは性能に直結する重要なパーツですが、同時に「サウンド」と「見た目」を大きく左右する、カスタムの花形でもあります。ここでは、代表的なマフラーブランドの特徴を比較してみましょう。
マフラー選びで重要なのは、「素材」「デザイン」「音質・音量」そして「公道走行の可否」です。チタン製は非常に軽量で高価、ステンレス製は耐久性とコストパフォーマンスに優れます。サイレンサーの形状も、オーソドックスなものからGPスタイルのような短いものまで多岐にわたります。最終的には、ご自身の目指すスタイルと予算に合わせて、最適な一本を見つけることが大切です。
ブランド | 特徴 | 主な素材 | 価格帯の目安 | 公道走行 |
---|---|---|---|---|
アクラポビッチ | MotoGPなど最高峰レースで採用。高性能・高品質で、レーシーなデザインが魅力。 | チタン、カーボン | 高価(約16〜18万円) | JMCA認定品あり |
MIVV | イタリアの老舗メーカー。独創的なデザインとパワフルなサウンドに定評がある。 | ステンレス、カーボン | 中価格帯(約6〜10万円) | 製品による(要確認) |
IXIL | スペインのメーカー。コストパフォーマンスに優れ、ユニークな形状のサイレンサーが多い。 | ステンレス | 中価格帯(約8.5万円) | 製品による(要確認) |
スタイリングを決定づける外装系パーツ

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バイクの第一印象を決めるのは、やはり外装パーツです。カウルやスクリーン、フェンダーといった面積の大きいパーツは、交換することでバイク全体のシルエットや方向性を決定づけます。
カフェレーサースタイルを目指すならビキニカウルやフロントカウルが必須ですし、ツーリングでの快適性を重視するならエアロバイザーやブラストバリアーといったスクリーンが有効です。これらは見た目の変化だけでなく、走行中の風圧を軽減してくれるという実用的なメリットもあります。また、パワーブロンズ製のリアフェンダー(ハガー)は、泥はねを抑えつつ、リア周りにボリューム感とレーシーな雰囲気を与えてくれます。自分のXSR125をどのようなキャラクターにしたいかを想像しながら選ぶのが、外装パーツ選びの醍醐味です。
塗装という選択肢
アルマックス製のカウルなど、一部の製品には「未塗装」のものがラインナップされています。これを自分の好きな色に塗装することで、世界に一台だけのオリジナルカラーを実現するのも、カスタムの深い楽しみ方の一つです。
操作性と快適性を向上させる機能系パーツ

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見た目のカスタムが一通り落ち着いたら、次はライダーが常に触れる部分に目を向けてみましょう。操作性や快適性を向上させる機能系パーツは、ライディングの質そのものを高めてくれます。
例えば、ワイズギアのアジャスタブルブレーキレバー/クラッチレバーは、手の大きさに合わせてレバーの位置を調整できるため、より確実で疲れにくい操作を可能にします。冬場のツーリングで絶大な効果を発揮するのがグリップウォーマーです。一度この快適さを知ってしまうと、もう手放せなくなるライダーも少なくありません。また、VOIGT MOTO TECHNIK製のハンドルバーライザーを使えば、ハンドルの高さや位置を微調整でき、自分にとって最適なライディングポジションを追求することが可能です。
電源確保も忘れずに
スマートフォンをナビとして使用したり、グリップウォーマーを取り付けたりする場合、電源の確保が必要になります。ワイズギアの「DCジャックセット」や「モーターサイクル用電源サブハーネスキット」をあらかじめ装着しておくと、後の電装系カスタムが非常にスムーズに進みます。
乗り心地を調整するローダウンとシート

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XSR125は125ccクラスとしては大柄で、シート高もやや高めに設定されています。そのため、小柄な方やバイク初心者にとっては、足つき性に不安を感じることもあるかもしれません。そんな不安を解消し、乗り心地を最適化するのがローダウンパーツやカスタムシートです。
ローダウンリンクは、リアサスペンションのリンクを交換することで、手軽に車高を下げられるパーツです。ワイズギアやMIZUから、それぞれ異なるダウン量の製品が販売されています。車高を下げることで足つきは劇的に改善し、停車時や取り回しの安心感が大きく向上します。ただし、車高を下げすぎるとコーナリング時にバンクさせにくくなる(ステップなどを擦りやすくなる)というデメリットも存在します。シート自体をアンコ抜き(内部のウレタンを削る)されたローダウンシートに交換する方法もあり、こちらは乗り心地も同時に変化させることができます。
ローダウン時の注意点
車高を下げると、サイドスタンドをかけた際の車体の傾きが浅くなります。傾斜のある場所に駐車する際は、バイクが倒れてしまわないよう、より一層の注意が必要です。必要に応じてショートサイドスタンドへの交換も検討しましょう。
まとめ:XSR125フルカスタム虎の巻!パーツとスタイル解説
XSR125のフルカスタムは、オーナーの個性と創造性を表現する、バイクライフの大きな喜びの一つです。この記事でご紹介した情報が、あなただけの一台を創り上げるためのヒントになれば幸いです。最後に、理想のカスタムを実現するための要点をまとめました。
- フルカスタムの第一歩は理想のスタイルを決めることから
- カフェレーサーは低く構えた前傾姿勢が特徴
- スクランブラーはアップハンドルで冒険的なスタイル
- ボバーは不要なものを削ぎ落としたシンプルな構成
- マフラー交換はパワーアップと軽量化に効果的
- 公道走行ではJMCA認定マフラーを選ぶのが絶対条件
- フェンダーレスキットは手軽にリア周りをスッキリできる
- ビキニカウルやスクリーンはバイクの印象を大きく変える
- アジャスタブルレバーは操作性の向上に繋がる
- グリップウォーマーは冬場の快適性を劇的に改善する
- ローダウンは足つきの不安を解消する有効な手段
- ローダウンにはバンク角減少などのデメリットも存在する
- パーツ選びはスタイルと実用性のバランスを考える
- 信頼できるメーカーのパーツを選ぶことが安全に繋がる
- 最高のXSR125フルカスタムは計画的に楽しむことが成功の秘訣