
ツーホイールズライフ・イメージ
中古バイク市場で今なお根強い人気を誇るヤマハTW200。その独特のスタイルに惹かれ、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ探してみると、どの年式のモデルを選べば良いのか、迷ってしまうかもしれません。
中古のTW200をレッドバロンなどの販売店で探しているものの、当時の新車価格はどのくらいだったのか、後継モデルであるヤマハTW225の中古も気になる、あるいは、個性的なフルカスタムのTW200を選ぶべきかなど、疑問は尽きないはずです。特にカスタムされた車両では、元の年式を判断するのが一層難しくなります。年式によって仕様が異なるため、購入後の失敗や後悔を避けるには、正確な知識が不可欠です。
この記事では、TW200の年式ごとの特徴から具体的な見分け方、中古車選びの注意点まで、あなたの疑問を解消するための情報を網羅的に解説していきます。
記事のポイント
- 時代ごとの大まかな特徴と変遷がわかる
- 角目や丸目ライトなど外観から年式を推測できる
- フルカスタムされた車両やTW225との違いが理解できる
- フレームの車体番号から正確な年式を特定する方法が身につく
TW200の年式見分け方:基本となる3つの時代

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TW200の歴史は長く、その特徴は大きく3つの時代に分けられます。ここでは、それぞれの時代の背景と、見分けるための基本的なポイントを解説します。
- アドベンチャー時代の初期型(1987年~)
- 角目ライトが特徴の中期型(~1998年)
- 丸目ライトのTW200E登場(1998年~)
- 発売当時の新車価格はいくら?
- 2001年最終モデルの特徴とカラー
- 車体番号で判別する正確な方法
アドベンチャー時代の初期型(1987年~)

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TW200が初めて登場したのは1987年です。意外に思われるかもしれませんが、当初はストリートバイクとしてではなく、道を選ばないアドベンチャートレールとしてデビューしました。
このバイクのコンセプトを象徴するのが、冒険家の風間深志氏による北極点到達チャレンジです。この偉業に使用されたベース車両がTW200であったことからも、その走破性の高さがうかがえます。砂地や荒れ地でも進める極太のバルーンタイヤは、このアドベンチャー性能を支えるための装備でした。
したがって、この時期のモデルは、後のストリートカスタム文化が花開く前の、実用性と走破性を重視した本来の姿と言えます。中古市場でこの年代の車両を見つけた場合、それはTWが持つタフな一面を最も色濃く残した個体だと考えられます。
角目ライトが特徴の中期型(~1998年)

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1990年代に入っても、TW200の基本的なスタイルは維持されていましたが、年式を見分ける上で分かりやすい特徴を持つのがこの中期型です。最も大きな識別点は、ヘッドライトが角型であることです。
この角目ヘッドライトは、当時のヤマハのオフロードバイクに共通するデザインでした。また、ウインカーも比較的大ぶりなものが装着されており、全体的に無骨で道具的な印象を与えます。このスタイルは、後のストリートカスタムブームで丸目ライトに交換されることが多かったため、現在では逆に新鮮に映るかもしれません。
この時期のモデルは、まだアドベンチャートレールとしての性格を残しつつ、後のブームへとつながる過渡期に位置づけられます。カスタムベースとして選ばれることもありましたが、ノーマルに近い状態であれば、TW本来の素朴な魅力を感じられるでしょう。
丸目ライトのTW200E登場(1998年~)

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1990年代後半、TW200の運命を大きく変えるムーブメントが起こります。それが「スカチューン」と呼ばれるカスタムスタイルの流行です。サイドカバーやバッテリーを取り払い、フレームの隙間をスッキリさせるこのスタイルがストリートで爆発的な人気を博しました。
このブームを受け、ヤマハ自身が1998年にメーカーカスタムとも言えるモデル「TW200E」を発売します。ここでの大きな変更点が、ヘッドライトの丸目化とウインカーの小型化です。この変更により、TWはより都会的でファッション性の高いバイクへとイメージを刷新しました。
このTW200Eの登場が人気に火をつけ、2000年には年間販売台数が1万5千台を超える大ヒットモデルとなります。中古市場で「丸目ライト」のTW200を見かけたら、それは1998年以降に生産されたTW200Eである可能性が高いと考えられます。
発売当時の新車価格はいくら?

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TW200のブームを語る上で、当時の新車価格も無視できない要素です。インプットされたデータベースに具体的な価格の記載はありませんが、その人気の一因が比較的手に入れやすい価格設定にあったことは広く知られています。
当時の若者にとって、スタイリッシュでありながら、現実的に購入可能な価格帯であったことが、カスタム文化の広がりを後押ししました。そのため、TW200は単なる移動手段ではなく、自己表現やファッションの一部として受け入れられたのです。
現在の中古車価格は、車両の状態やカスタムの内容によって大きく変動します。しかし、発売当時は多くの人に手の届く存在であったという背景を理解しておくと、TW200というバイクが持つ文化的な価値への理解がより深まるはずです。
2001年最終モデルの特徴とカラー

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TW200は、後継モデルであるTW225へバトンを渡す形で、2001年モデルが最終となりました。この最終モデル(型式:BA-DG07J)は、TW200シリーズの集大成とも言える存在です。
この年のモデルでは、ストリートファッションとの調和を意識したカラーリングが採用され、3つのカラーバリエーションが設定されました。それぞれのカラーには、異なるイメージが与えられています
カラー名 | 特徴 |
ブルーメタリックC | ライトで爽やかなイメージを演出 |
ヤマハブラック | 各パーツもブラックアウトされ、ワイルドな印象を強調 |
ブルーイッシュホワイトカクテル1 | クールで都会的なイメージを持つ |
これらのカラーリングは2001年モデルのみに設定されたものです。もし、これらの純正カラーをまとった状態の良い車両を見つけたら、それは希少な最終モデルである可能性が非常に高いです。
車体番号で判別する正確な方法

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外観の変更点からおおよその年式を推測することは可能ですが、最も正確に年式を特定する方法は、フレームに刻印された車体番号を確認することです。特にカスタムされた車両では、外装パーツが交換されている可能性があるため、車体番号の確認は欠かせません。
車体番号は、通常、フレームのヘッドパイプ(ハンドルの付け根部分)に刻印されています。この番号と型式を確認することで、その車両がいつ製造されたモデルなのかを正確に知ることができます
主な型式 | おおよその年式 | 特徴 |
2JL | 1987年~ | 初期型。フロントドラムブレーキ |
4CS | 1991年~ | 中期型。角目ライトなど仕様変更を重ねる |
BA-DG07J | 1998年~2001年 | 後期型(TW200E)。丸目ライト、フロントディスクブレーキ |
例えば、データベースにある2001年の最終モデルの型式は「BA-DG07J」です。このように、型式は年式を特定する上で非常に重要な手がかりとなります。中古車を購入する際は、必ず販売店に車体番号と書類を確認させてもらい、年式と仕様が一致しているかを見極めることが大切です。
購入前に役立つTW200の年式見分け方のコツ

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基本的な時代の見分け方を理解した上で、次は中古車選びで実践的に役立つ、より具体的な見分け方のコツと注意点を解説します。
- レッドバロンで中古の探し方
- フルカスタム車両の見極めポイント
- ドラムとディスクブレーキの違いで見分ける
- TW225中古モデルとの違い
- 総括:TW200の年式見分け方|中古購入で失敗しない全知識
レッドバロンで中古の探し方

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中古のTW200を探す際、レッドバロンのような全国展開する大手販売店は有力な選択肢の一つになります。その理由は、豊富な在庫と購入後の保証制度にあります。
大手販売店のメリットは、全国の店舗から希望の車両を探し出せるネットワークを持っている点です。状態の良いノーマル車両からカスタムされた車両まで、多様な選択肢の中から比較検討できます。また、多くの場合、修理保証やロードサービスが付帯しているため、購入後の安心感が高いのも魅力です。
ただ、注意点もあります。在庫が豊富だからこそ、一台一台の状態は千差万別です。特にTW200のようなカスタムされやすい車種は、前のオーナーの整備履歴やカスタムの質が車両のコンディションを大きく左右します。そのため、店舗で現車をしっかりと確認し、エンジン音や各部の動作、消耗品の具合などを自分の目で確かめる姿勢が求められます。
フルカスタム車両の見極めポイント

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TW200の魅力の一つは、その高いカスタム性にあります。中でも、フレームのスカスカ感が特徴的な「スカチューン」をはじめとするフルカスタム車両は、独特の存在感を放ちます。
こうしたフルカスタム車両を選ぶ際は、いくつか見極めるべきポイントがあります。第一に、どのようなパーツが使われ、どのような意図でカスタムされたのかを理解することです。例えば、スカチューンの特徴であるバッテリーレス化は、見た目がスッキリする一方、電装系の安定性が低下したり、キック始動が必須になったりするデメリットもあります。
第二に、カスタムの質です。配線処理が雑であったり、安価なパーツが使われていたりすると、後々トラブルの原因になりかねません。見た目の格好良さだけで判断せず、細部の作り込みや整備性を確認することが重要です。前述の通り、原型を留めないカスタムが施されている場合は、ベース車両の年式を特定するのが困難なため、フレームの車体番号確認がより一層、大切になります。
ドラムとディスクブレーキの違いで見分ける

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ヘッドライトの形状と並んで、年式を推測する上で分かりやすい外観上のポイントが、フロントブレーキの仕様です。TW200は、その歴史の中でフロントブレーキのシステムが変更されています。
具体的には、1999年以前のモデルでは、フロントブレーキに「ドラムブレーキ」が採用されていました。これはホイールの中心部分がドラム状になっている、比較的シンプルな構造のブレーキです。
一方、ストリートでの人気が高まった2000年モデル以降のTW200Eでは、制動力とコントロール性に優れる「油圧式ディスクブレーキ」が標準装備となりました。したがって、フロントホイールにブレーキディスクとキャリパーが装着されていれば、それは比較的新しい年式のモデルであると判断できます。このブレーキシステムの違いは、見た目だけでなく走行性能にも影響を与えるため、覚えておくと良いでしょう。
TW225中古モデルとの違い

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TW200を探していると、後継モデルである「TW225E」も選択肢に入ってくることがあります。両者は見た目が非常に似ていますが、いくつかの重要な違いがあります。中古車を選ぶ上では、この違いを理解しておくことが満足度の高い選択につながります。
最大の違いはエンジン排気量です。名前が示す通り、TW200が196ccであるのに対し、TW225は223ccへと排気量がアップしています。これにより、特に街中で多用する低中速域でのトルクが増し、より力強くスムーズな走りを実現しました。
TW200とTW225の主なスペック比較
項目 | TW200E (2001年モデル) | TW225E (最終モデル) |
排気量 | 196cc | 223cc |
最高出力 | 16 PS / 8,000rpm | 18 PS / 7,500rpm |
最大トルク | 1.5 kgf・m / 7,000rpm | 1.9 kgf・m / 6,000rpm |
リアタイヤ | 180/80-14 | 180/80-14 ※初期は同一 |
表からも分かるように、TW225はよりパワフルなエンジンを搭載しています。見た目はほとんど変わらないため、力強い走りを求めるならTW225、200ccならではの軽快さや初期の雰囲気を楽しみたいならTW200という選び方も考えられます。中古市場での価格や状態と合わせて総合的に判断するのが良いでしょう。 ※注: TW225はモデルライフの途中でリアタイヤが1サイズ細いものに変更された時期がありましたが、基本的なキャラクターは維持されています。
総括:TW200の年式見分け方|中古購入で失敗しない全知識
ここまで解説してきたTW200の年式見分け方について、重要なポイントを以下にまとめます。中古車選びで失敗しないために、これらの点をぜひ参考にしてください。
- TW200は元々アドベンチャートレールとして誕生した
- 初期型はタフで実用的な性格が強い
- 中期型までの主な特徴は角目のヘッドライト
- 1998年に丸目ライトのTW200Eが登場し人気が爆発
- ストリートカスタムの「スカチューン」がブームの火付け役
- 年式を正確に知るにはフレームの車体番号確認が最も確実
- 車体番号はハンドル付け根のヘッドパイプ部分にある
- 2000年モデル以降はフロントがディスクブレーキ
- それ以前のモデルはフロントがドラムブレーキ
- 2001年がTW200としての最終モデル
- 最終モデルには3種類の特別なカラーが存在した
- フルカスタム車は見た目だけでなく配線処理などの質もチェック
- バッテリーレス仕様は電装系トラブルのリスクも考慮する
- 後継のTW225は排気量が大きくよりトルクフルな走りが特徴
- 大手販売店は在庫と保証が魅力だが現車確認は必須