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新型Vストローム160を解説!日本発売の可能性とスペック

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新型Vストローム160を解説!日本発売の可能性とスペック

ツーホイールズライフ・イメージ

スズキから新型アドベンチャーモデルとして、Vストローム160が発表され、大きな注目を集めています。スズキのアドベンチャーカテゴリに加わるこのニューモデルに関して、その詳細なスペックや、兄弟モデルとの比較、予想される価格帯、そして国内のバイクファンにとって最も気になる日本発売の可能性について、深く知りたいと考えている方も多いでしょう。

また、このモデルが中国のHaojue(ハオジュー)によって製造されているDL160とどのような関係性にあるのか、様々な情報や憶測が飛び交っています。

この記事では、現時点で判明しているVストローム160に関する最新情報を多角的に分析し、その全貌に迫ります。

記事のポイント

  • Vストローム160のベースモデルと予想スペック
  • Haojue(ハオジュー)製モデルとの関連性
  • 日本国内で発売される可能性の分析
  • ジクサー150など既存モデルとの比較

 

Vストローム160の概要とスペック

Vストローム160の概要とスペック

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  • スズキコロンビアで新型が発表
  • ベースはHaojueのDL160か
  • エンジンはDR160Sがベースか
  • 予想スペック
  • 判明している主要な装備
  • KYB製サスペンションを採用

スズキコロンビアで新型が発表

スズキコロンビアで新型が発表

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2024年秋、スズキのコロンビア法人がSNSなどを通じて新型モデル「Vストローム160」を発表しました。これは、世界的に人気を博しているスズキのアドベンチャーモデル「Vストローム」シリーズに、新たな小排気量クラスの兄弟が加わったことを意味します。

しかし、発表時点(2024年11月現在)では、スズキコロンビアの公式ウェブサイトにも詳細なスペックシートや価格情報は掲載されておらず、複数の画像が先行して公開された形となりました。公開された画像を見ると、Vストロームシリーズの象徴とも言える「クチバシ」デザイン(スズキの伝説的なオフロードバイク「DR-Z」に由来)はしっかりと採用されています。一方で、タンク周りのシュラウド(覆い)や全体のスタイリングは、既存のVストローム250や1050とは異なる雰囲気を持っており、アジアや南米市場で好まれるような、よりアグレッシブで力強いデザインが特徴となっています。

ベースはHaojueのDL160か

ベースはHaojueのDL160か

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公開されたVストローム160のスタイリングを見て、既視感を覚えたバイクファンは少なくないでしょう。その理由は、このモデルが中国の巨大バイクメーカーHaojue(ハオジュー)によって製造・販売されている「DL160」というモデルに酷似しているためです。

細部を比較すると、ロゴマークやカラーリング、一部のデカール(ステッカー)類を除けば、燃料タンクの形状、シート、フレーム、足回り、さらには灯火器類に至るまで、外観はほぼ同一と見受けられます。この事実から、Vストローム160はHaojue DL160をベースとしたOEMモデル(相手先ブランド製造モデル)である可能性が極めて高いと結論付けられます。

Haojue(ハオジュー)とスズキの深い関係

Haojue(重慶豪爵鈴木摩托車有限公司)は、長年にわたりスズキと技術提携や合弁事業を行っている、中国国内で絶大なシェアを誇るバイクメーカーです。日本国内で正規販売されているVストローム250(GSR250系エンジン搭載モデル)GSX250Rも、Haojueが生産を担当しています。ただし、これらのモデルは「スズキが設計し、Haojueが生産した」モデルです。対して、今回のVストローム160のベースとされるDL160は、「Haojueが独自に設計・生産した」モデルであると考えられ、その点で出自が異なります。

エンジンはDR160Sがベースか

エンジンはDR160Sがベースか

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「Vストローム160」という名称から、エンジン排気量は160ccクラスであることが明確に推測されます。Haojueのラインナップには、よく似たモデルとして「DL150」(排気量149cc)も存在しますが、Vストローム160のベース車両とされる「DL160」には、同じくHaojueが製造するストリートファイターモデル「DR160S」と同系のエンジンが搭載されています。

このDR160Sに搭載されているのは、排気量が162ccのSOHC空冷単気筒エンジンです。このエンジンは、ボア×ストロークが60mm × 57.4mmと、比較的ロングストローク寄りの設定で、中低速でのトルクを重視した特性が与えられていると推測されます。したがって、Vストローム160は「DL150/160系の車体に、実績のあるDR160S系の162ccエンジンを搭載したモデル」であると考えるのが最も自然でしょう。

予想スペック

予想スペック

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前述の通り、Vストローム160の公式なスペックシートはまだ発表されていません。しかし、ベースモデルがHaojue DL160であると仮定すれば、その公表スペックが非常に有力な参考情報となります。以下に、Haojueが公表しているDL160の主要スペックをまとめます。

ご注意:これはHaojue DL160のスペックであり、Vストローム160として販売される際に、仕向け地(コロンビアなど)の法規や市場ニーズに合わせて一部が変更される可能性があります。あくまで参考情報としてご覧ください。

Haojue DL160 スペック(参考)
全長2,025mm
全幅775mm
全高1,195mm
ホイールベース1,345mm
シート高795mm
最低地上高160mm
車両重量148kg
燃料タンク13L
エンジンSOHC 空冷単気筒
排気量162cc
ボア×ストローク60mm × 57.4mm
最高出力11kW (15PS) / 8,000rpm
最大トルク14Nm / 6,500rpm
ミッション5速
燃費52.1km/L (公式値)
Fタイヤ100/80-17
Rタイヤ130/70-17

もしこのスペックがVストローム160にもほぼそのまま適用される場合、最高出力は15PSとなり、日本国内で販売されているジクサー150(154cc, 14PS, 140kg)と比較しても遜色ないパワーを発揮します。車両重量は148kgとジクサー150よりは重くなりますが、Vストローム250(188kg)と比べると圧倒的に軽量で、取り回しの良さが期待できます。シート高795mmも、アドベンチャーモデルとしては比較的足つき性に優れていると言えるでしょう。

判明している主要な装備

判明している主要な装備

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ベースモデルとされるDL160の装備内容から、Vストローム160に搭載されるであろう主要な装備も予測できます。小排気量のアジア・南米向けモデルでありながら、その装備は非常に充実しているようです。

予想される充実の標準装備

  • フルLED灯火器類:ヘッドライト、テールランプ、ウインカー全てがLEDと予想されます。高い視認性と長寿命、省電力に貢献します。
  • フルデジタルメーター:速度、回転数に加え、ギアポジションインジケーターや燃料計などを備えた多機能なデジタルメーターが搭載される見込みです。
  • USB電源ポート:メーター横など、アクセスしやすい位置にスマートフォンなどの充電に不可欠なUSB電源ポートが標準装備される可能性が高いです。
  • 前後2チャンネルABS:安全装備の核となるABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が、フロントだけでなくリアにも搭載される2チャンネル仕様と予想されます。
  • インジェクションシステム:現代のバイクとして当然の装備ですが、キャブレターではなく電子制御燃料噴射(インジェクション)が採用されます。

これらの装備が標準で備わるとすれば、非常にコストパフォーマンスの高いモデルとなります。特にUSB電源や前後ABSが標準装備と予想される点は、日常の通勤・通学から長距離ツーリングまで、ライダーの利便性と安全性を大きく高めてくれるでしょう。

KYB製サスペンションを採用

KYB製サスペンションを採用

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充実した電子装備に加えて、走行性能を支える足回りのパーツ構成にも注目すべき点があります。Haojue DL160は、サスペンションに日本のKYB(カヤバ)製を採用していると公表されています。フロントはオーソドックスな正立テレスコピックフォーク、リアはスイングアームにモノショックを組み合わせた形式です。

KYBは、国内外の多くのバイクメーカーに純正採用されている、高い信頼と実績を持つサスペンションメーカーです。また、サスペンション以外にも、ドライブチェーンにはDID(大同工業)製が採用されているとの情報もあります。

安価なアジア・南米向けモデルでは、コストダウンのために無名メーカーのパーツが使われることも少なくありません。しかし、Vストローム160(DL160)は、走行性能と耐久性に直結する重要な部品に、信頼性の高い日本メーカーの製品を採用しており、品質に対するこだわりの強さが伺えます。これは、スズキブランドを冠する上で必須の条件だったのかもしれません。

Vストローム160の日本発売予測

Vストローム160の日本発売予測

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  • 日本発売の可能性は低い理由
  • 排ガス規制が導入の壁か
  • ジクサー150との競合
  • まとめ:新型Vストローム160を解説!日本発売の可能性とスペック

日本発売の可能性は低い理由

日本発売の可能性は低い理由

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コロンビアでの突然の発表を受け、日本国内のバイクファンやメディアからは「これは面白そうだ」「150ccクラスのアドベンチャーは魅力的だ」「日本でも売ってほしい」といった期待の声が多数上がっています。

ですが、残念ながら現時点での情報を総合的に分析すると、Vストローム160が日本市場に正規導入される可能性は極めて低いと言わざるを得ません。

もちろん、これはあくまで予測の範囲であり、将来的にスズキが何らかの発表を行う可能性はゼロではありません。しかし、日本市場への正規導入を実現するためには、乗り越えなければならないいくつかの大きなハードルが存在するのです。

排ガス規制が導入の壁か

排ガス規制が導入の壁か

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最大の障壁であり、最もコストがかかる問題が、日本の厳しい排出ガス規制です。現在、日本国内で販売される新型の二輪車は、欧州の「Euro5(ユーロファイブ)」と同等とされる、世界で最も厳しいレベルの排出ガス規制をクリアする必要があります。(参照:国土交通省 - 二輪車の排出ガス規制

Vストローム160が投入されるコロンビアや、ベースモデルのHaojueが主戦場とする中国の規制は、日本や欧州の規制と比較すると緩やかです。Haojueが設計した既存の空冷162ccエンジンを、多額の開発コストをかけてまで日本の規制に適合させる作業は、容易ではありません。

「スズキ設計」と「Haojue設計」の壁

前述の通り、Vストローム250(GSR250系)は、最初から日本や欧州市場での販売も視野に入れて「スズキが設計した」エンジンを搭載しています。一方でVストローム160のエンジンは「Haojueが設計した」ものであり、この違いが規制対応の難易度とコストに直結します。安価な小排気量モデルにそのコストをかけて日本市場に投入する経営判断は、メーカーにとって非常に難しいものと考えられます。

ジクサー150との競合

ジクサー150との競合

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仮に、多額のコストをかけて排ガス規制の問題をクリアできたとしても、スズキの日本国内ラインナップには、既に「ジクサー150」という強力なモデルが存在します。

ジクサー150は、排気量154ccの空冷単気筒エンジンを搭載し、軽量(140kg)で扱いやすく、燃費性能にも優れたモデルとして、日本市場で確固たる地位を築いています。(参照:スズキ株式会社 - ジクサー150 製品ページ

Vストローム160(予想162cc空冷単気筒)は、このジクサー150とエンジンカテゴリーや排気量クラスが完全に競合します。装備が豪華なVストローム160は、ジクサー150よりも重く、価格も高くなることが予想され、両モデル間での棲み分けが非常に難しくなります。

さらに、日本のアドベンチャーカテゴリーには、インドで生産される新設計の油冷エンジンを搭載した「Vストローム250SX」も2023年からラインナップに加わりました。このような状況で、生産地もエンジン系統も全く異なるVストローム160をあえて国内市場に投入する積極的な理由は、残念ながら見当たりにくいのが実情です。

まとめ:新型Vストローム160を解説!日本発売の可能性とスペック

この記事では、スズキコロンビアで発表された新型アドベンチャーモデル、Vストローム160について、その概要、スペック、そして日本発売の可能性を詳細に解説しました。最後に、本モデルに関する現時点でのポイントと今後の展望をまとめます。

  • Vストローム160はスズキコロンビアが2024年秋に発表した新型モデル
  • 中国Haojue(ハオジュー)製の「DL160」がベースのOEM車両である可能性が濃厚
  • エンジンはHaojue「DR160S」系の162cc空冷単気筒エンジンと予想される
  • 予想される最高出力は約15PSで、ジクサー150と同等レベル
  • 灯火器類は視認性に優れるフルLEDを採用か
  • 足回りにはKYB製サスペンションなど信頼性の高いパーツが使われる見込み
  • 前後2チャンネルABSやUSB電源ポートなど現代的な装備も充実
  • 一方で、日本国内での正規販売の可能性は現時点では極めて低い
  • 最大の障壁は、Haojue設計エンジンを日本の厳しい排ガス規制(Euro5相当)に対応させるコスト
  • 国内ラインナップにはジクサー150という強力な競合モデルが既に存在
  • エンジンカテゴリーや排気量がジクサー150と完全に重複してしまう
  • アドベンチャー系には上位モデルとしてVストローム250SXも存在する
  • 棲み分けが難しく、あえて投入するメリットがメーカー側に見出しにくい
  • 正規導入は難しくても、一部の業者が並行輸入で国内に持ち込む可能性は残る
  • 基本的にはアジアや南米市場のニーズに応えるための戦略的モデルとしての側面が強い

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