
ツーホイールズライフ・イメージ
Vストローム1050の購入を検討中、「後悔しないか」と不安になっていませんか。このバイクは、2025年モデルの登場も噂される中、その性能や最高速が注目されています。
アドベンチャーバイクとしての魅力に溢れる一方で、特にVストローム1050DEの足つきや、標準モデルと1050DEの違い、1050XTとの比較など、現実的に確認すべき点も多いです。
また、ローダウン対策やエンジンガードの必要性、中古車選びのポイントまで、購入前に知っておきたい情報は多岐にわたります。
この記事では、Vストローム1050という素晴らしいバイクとの出会いが「後悔」に終わらないよう、知っておくべき現実的なポイントを徹底的に解説します。
記事のポイント
- Vストローム1050の主な後悔ポイント(足つき・重量)
- DEモデルやXTモデルとの具体的な違いと選び方
- 足つき性や重量に関する現実的な対策(ローダウン・装備)
- 中古車選びや必須となり得るカスタムの注意点
Vストローム1050で後悔する要因とは

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- 1050DEの足つきは悪い?
- ローダウン対策
- 重量と取り回しは許容範囲か
- 1050XTとの比較
- 1050DEとの違いを解説
1050DEの足つきは悪い?

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Vストローム1050シリーズ、特にDEモデルの購入で後悔する最大の要因として、「足つき性」が挙げられます。
標準モデルのシート高は850mmと、アドベンチャーバイクとしては標準的な数値ですが、決して低くはありません。さらに、オフロード性能を格段に高めたVストローム 1050DEモデルのシート高は880mmに設定されています。(出典:スズキ株式会社 V-Strom 1050DE 製品概要)
この880mmという数値は、より長いサスペンションストロークと21インチのフロントホイールを採用し、高い最低地上高を確保したことによるものです。オフロードでの走破性を追求した結果であり、性能の高さを表していますが、それがそのままオンロードでの扱いにくさに繋がる可能性があります。
身長176cmのライダーによるインプレッションでも、DEモデルは「けっこう高い」と感じる場面があったと報告されています。特に、信号待ちの多い市街地や、路肩が傾斜していたり、凸凹していたりする場所も多く、スペック上の数値以上に足つきに不安を感じるシーンが増えるのです。
足つきの目安と重量の現実
インプレッションによれば、Vストローム1050DEの場合、身長175cm程度が両足のつま先がなんとか接地できる一つの目安とされています。片足であればカカトまで接地可能とのことですが、252kgの車体を傾斜地で支えるには相応の習熟と筋力が必要です。
アドベンチャーバイクに乗り慣れていない場合、この「停車時の不安」が大きなストレスとなり、後悔の原因になり得ます。
購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、必ず実車に跨り、可能であれば自分のライディングブーツでサイドスタンドからの引き起こしや、停止・発進を繰り返し、停車時の安定感をチェックすることが不可欠です。
ローダウン対策

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足つき性に強い不安を感じる場合、後悔しないための対策としてローダウンが有効です。いくつかの方法があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
最も手軽でメーカーも推奨している方法は、スズキ純正オプションの「ローシート」を導入することです。このシートに変更することで、標準モデル・DEモデルともに約30mmシート高を低くすることができます。数値上はわずか3cmですが、体感的な安心感は大きく向上します。(出典:スズキ株式会社 二輪車アクセサリー)
ただし、ローダウンシートは座面のウレタン(クッション材)を薄くすることで高さを稼いでいます。そのため、ノーマルシートに比べて長距離走行時の快適性(特にお尻の痛み)に影響が出る可能性も考慮しなくてはなりません。足つきの安心感と快適性のバランスを考える必要があります。
その他の足つき改善策
- 厚底ライディングブーツの着用:
物理的に足つきを改善する定番の方法です。専用品であれば操作性を損なわずに数センチの違いを生み出せ、大きな安心感に繋がります。 - サスペンションの調整(サグ出し):
厳密にはローダウンではありませんが、サスペンションのプリロード(初期荷重)をライダーの体重に合わせて最適化する「サグ出し」を行うことで、乗車時(1G')の沈み込み量が適正になり、結果的に足つきが改善する場合があります。これは操縦安定性の向上にも繋がるため、まずは試してみる価値があります。ただし、専門知識が必要なため、専門店での相談をおすすめします。 - ローダウンリンク(社外品):
リアサスペンションのリンク機構の部品を交換し、物理的に車高を下げる方法です。最も効果的に車高を下げられますが、バイク本来の走行性能やハンドリング特性が変わってしまうデメリットがあります。また、車体が起き上がるためサイドスタンドのショート化が必要になる場合もあり、導入は慎重に検討すべき最終手段と言えます。
これらの対策を組み合わせることで、足つきに関する不安は大幅に軽減できるでしょう。まずは純正ローシートの試着から始めるのが定石です。
重量と取り回しは許容範囲か

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足つき性と並んで、あるいはそれ以上に後悔の要因となりがちなのが、車両の「重量」です。
Vストローム1050の装備重量は、標準モデルで242kg、DEモデルでは252kgに達します。これはリッタークラスのアドベンチャーバイクとしては標準的なレベルであり、特別重いわけではありません。しかし、日常的に扱う上での負担は決して軽くありません。
特に、エンジンを停止した状態での押し引きや、狭い駐輪場での切り返し、僅かな傾斜地での取り回しでは、この重量が物理的な負担としてのしかかります。インプレッションでも、写真撮影のために頻繁に停止・移動を繰り返すような状況では、242kgの重量がそれなりに応えると報告されています。
さらに、パニアケースを満載にしたキャンプツーリングでは、総重量が300kg近くになることも想定されます。その状態で不安定な路面に足をついた時の不安は、購入前に想像しておく必要があります。
Vストローム1050の素晴らしい点は、一度走り出してしまえば、その重量を感じさせない軽快なハンドリングと安定感を持っていることです。しかし、問題は「走り出すまで」です。
ガレージから出すのが億劫になったり、出先での駐車場所を過度に気にするようになったりすると、バイクに乗ること自体がストレスになり、結果として「後悔」に繋がる可能性があります。
購入前には、試乗で走行性能を確認するだけでなく、可能であれば販売店で許可をもらい、エンジンを切った状態での取り回しを試させてもらうことが、後悔を避けるために非常に重要です。
1050XTとの比較

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Vストローム1050を検討する際、特に中古車市場では2023年モデル以前の「Vストローム1050XT」も魅力的な選択肢に入ります。
XTモデルは、2023年の大幅なマイナーチェンジ以前(主に2020年〜2022年)の主力モデルで、現行の標準モデルやDEモデルとはいくつかの重要な違いがあります。
主な相違点(現行モデル vs XT)
1. ギア比と走行フィーリング:
これが最大の変更点の一つです。現行モデル(2023〜)は、1速から6速までのギア比をすべて見直し、さらに2次減速比(スプロケット)も変更しました。これにより、特に一般道を時速50〜60kmで走るような低〜中速域での「ゆとり感」とVツインの「鼓動感」が大幅に向上しました。XTモデルはどちらかというと高回転までスムーズに回るスポーツバイク的な味付けでしたが、現行モデルはよりツーリングバイクらしい、味わい深い特性になっています。
2. 電子制御(S.I.R.S.)とメーター:
現行モデルは、6軸IMUを搭載し、コーナリングABSや多機能なトラクションコントロール、クルーズコントロールなどがより緻密に統合制御されています。また、5インチのカラーTFT液晶メーターを採用し、視認性と情報量が格段に向上しました。XTモデルも電子制御は充実していましたが、IMUの世代や制御の緻密さ、そしてメーター(モノクロ液晶)のインターフェースが異なります。
3. ホイール構成:
XTモデルはフロント19インチ、リア17インチのチューブレス対応スポークホイールを標準装備していました。これはパンク修理の容易さとオフロードの雰囲気を両立する、非常に人気の高い仕様です。一方、現行の標準モデルは「キャストホイール」、DEモデルは「フロント21インチのチューブタイプ・スポークホイール」となり、XTの仕様はラインナップから消えています。
XTモデルは「買い」か?
Vストローム1050XTは、型落ちとは言え非常に完成度の高いモデルです。「チューブレスのスポークホイール」に強いこだわりがある人にとっては、中古市場でXTを探すのは非常に合理的な選択です。
しかし、現行モデルの「一般道での扱いやすさ(ギア比)」や「カラーTFTメーター」に魅力を感じる場合、後悔しないよう両者の違いをしっかり比較検討する必要があります。
1050DEとの違いを解説

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現行ラインナップを選ぶ際、最も悩むのが「標準モデル」と「Vストローム 1050DE」のどちらを選ぶか、という点です。価格差は約9万円(2025年7月時点)ですが、この2台は単なる装備違いではなく、明確に異なる性格を持っています。
後悔しない選択のために、両者の違いを以下の表で正確に把握しておきましょう。
| 項目 | Vストローム1050 (標準) | Vストローム1050DE |
|---|---|---|
| コンセプト | オンロード・ツーリング | オフロード・アドベンチャー |
| 装備重量 | 242kg | 252kg (+10kg) |
| シート高 | 850mm | 880mm (+30mm) |
| ホイール (前/後) | 19インチ / 17インチ (キャスト) | 21インチ / 17インチ (スポーク) |
| タイヤ (前) | チューブレス | チューブタイプ |
| サスペンションストローク | 標準 (F: 160mm / R: 160mm) | 延長 (F: 170mm / R: 169mm) |
| ハンドルバー | 標準幅 (アルミ製) | 片側20mm拡大 (テーパー) |
| 電子制御 (Gモード) | なし | あり (ダート用TCS) |
| リアABS | OFF不可 | OFF機能あり |
| 標準装備品 | センタースタンド、大型スクリーン | エンジンガード、アルミ製アンダーカウル |
| 価格 (2025年7月時点) | 1,705,000円 (税込) | 1,793,000円 (税込) |
DEモデルは「本気」のオフロード仕様
DEモデルは、単なるスタイルパッケージではありません。
- フロント21インチ化: 林道の轍(わだち)や障害物を乗り越える際の走破性が格段に向上します。
- サスストローク延長: 路面からの衝撃吸収性が高く、よりアグレッシブな走行に対応します。
- Gモード / リアABSオフ: これらは本格的なダート走行に必須の機能です。Gモードはリアタイヤを意図的に滑らせて曲がることを許容し、リアABSオフは急な下り坂でリアをロックさせて減速するために使います。
DEモデルは、その代償として「足つき性の悪化」「重量増」「フロントタイヤがチューブタイプ(パンク修理が面倒)」というデメリットを引き受けています。
自身の使い方を明確にし、「年に数回、未舗装路に入る」程度であれば、標準モデルの方が遥かに快適で実用的です。「本気でオフロード性能を追求したい」という明確な目的がある場合にのみ、DEモデルを選ぶのが後悔しない選択と言えるでしょう。
Vストローム1050購入後の後悔を防ぐ情報

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- 最高速と実用域
- 2025年モデルの情報
- エンジンガードは必要?
- 中古購入時の注意点
- 総括:Vストローム1050の後悔しない選び方
最高速と実用域

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「リッターバイクだから」と、Vストローム1050の最高速性能に過度な期待をすると後悔するかもしれません。
メーカーから最高速度は公表されていませんが、海外メディアなどの情報では200km/h級とされています。しかし、Vストローム1050の真価はそこにはありません。このバイクは、最高速を競うスーパースポーツではなく、「いかに快適に、遠くまで旅ができるか」を追求したアドベンチャーツアラーです。
このバイクの最も大きな魅力は、高速道路を使った長距離巡航時の圧倒的な快適性と安定性です。特に時速100km〜120km程度での巡航は、1037ccのVツインエンジンが生み出す余裕あるトルクと、安定したシャシー性能が最も活きる領域です。
2023年モデルからは高性能なクルーズコントロールが標準装備されており、アクセル操作から解放されることで長距離移動時の疲労を劇的に軽減してくれます。
真の魅力は「実用域のトルク」
Vストローム1050のVツインエンジンは、最高出力よりも、3,000〜6,000回転といった実用域での力強いトルク(加速力)に重点を置いて設計されています。
高速道路での追い越し加速や、ワインディングの立ち上がりで、スロットルを軽く開けるだけで巨体をグイグイと前に押し出す感覚こそが、このバイクの醍醐味です。最高速の数値よりも、この「常用域での力強さ」に注目することで、このバイクの本当の価値が理解できるはずです。
2025年モデルの情報

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2025年7月現在、Vストローム1050の2025年モデルに関する大々的なモデルチェンジ(フルモデルチェンジ)の公式発表はありません。スズキからは「隼」の2025年モデルに関するカラーオーダープランなどが発表されていますが、Vストロームシリーズについては既存カラーの継続が中心となっています。
それもそのはずで、現行のVストローム1050/DEは、2023年に大幅なマイナーチェンジを受けたばかりの完成形とも言えるモデルです。バイクのモデルチェンジは一般的に3〜5年周期で行われることが多いため、次の大きな変更はまだ先になる可能性が高いです。
2023年モデルの主な進化点(おさらい)
主要なメディアでも高く評価された2023年のアップデートは、非常に内容の濃いものでした。(参考:Webike マガジン Vストローム1050/DE試乗インプレ)
- ギア比の大幅な見直し: 低中速域(一般道)での扱いやすさと鼓動感が向上。
- S.I.R.S.(電子制御)の進化: より緻密なトラクションコントロールやクルーズコントロールを実現。
- 双方向クイックシフトシステム: クラッチ操作なしでシフトアップ/ダウンが可能になり、快適性が向上。
- 5インチカラーTFT液晶メーター: 視認性と情報量が格段にアップし、現代的な装備になりました。
「新型が出るかも」と待って購入を逃すよりも、これらの機能がすべて搭載された熟成の現行モデルを試乗したり、あるいは程度の良い中古車を探したりするほうが、現実的な選択と言えるでしょう。
エンジンガードは必要?

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Vストローム 1050のエンジンガード(アクセサリーバー)の必要性については、「後悔したくないなら装着すべき」というのが結論に近いでしょう。使い方によって判断が分かれる部分もありますが、メリットがデメリットを大きく上回ります。
まず、DEモデルには大型のエンジンガードが標準装備されています。これは、オフロード走行時の転倒から車体を守るための必須装備として、メーカーがその必要性を認めている証拠です。
一方、標準モデルには装備されておらず、オプション設定となっています。標準モデルをオンロードツーリング専用で使うのであれば、必ずしも必要とは言えません。しかし、アドベンチャーバイクは車高が高く重量もあるため、不意の立ちゴケによるダメージが大きくなりがちです。
修理費用を考えれば「必須装備」
エンジンガードを装着していれば、時速0kmの立ちゴケ程度であればカウルやエンジンケースへの致命的なダメージを防げる可能性が飛躍的に高くなります。
Vストロームの大型カウルやエンジンケースカバーの交換費用は、数万円から十数万円になることも珍しくありません。スズキ純正のアクセサリーバーの価格(数万円)を考えれば、「転ばぬ先の杖」として装着しておく価値は十分にあります。特にVストローム1050の中古車を探す際は、エンジンガードの有無も価格を判断する上の大きなチェックポイントになるでしょう。
デメリットとしては、若干の重量増と、見た目の好みが分かれる点がありますが、万が一の際の修理費用と精神的ショック(後悔)を天秤にかければ、装着を強く推奨します。
中古購入時の注意点

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Vストローム1050の中古車は、新車に比べて魅力的な価格で手に入る可能性がありますが、購入で後悔しないためには新車以上に慎重なチェックが必要です。
アドベンチャーバイクという特性上、「ツーリングのみの優良個体」から「オフロードを走り込んだ個体」まで、前オーナーの使い方によってコンディションが大きく左右されるためです。
中古車チェックリスト
- メンテナンス履歴:
最重要項目です。定期点検やオイル交換がしっかり行われていたか、整備記録簿で確認します。特に距離を走った車両は、高額になりがちなバルブクリアランス調整や、フォークのオーバーホール履歴なども確認できると理想です。 - 電子制御システムの動作:
試乗時には、ABS、トラクションコントロール(モード変更)、ライディングモード(A/B/C)、クルーズコントロール、クイックシフターなど、電子制御がすべて正常に作動するかを詳細に確認してください。これらの修理は高額になりがちです。 - 外装と下回りの傷:
エンジンガードやアンダーカウルの傷は、オフロード走行の頻度を示唆します。擦り傷程度なら問題ありませんが、フレーム本体やエンジンケース、スイングアームに大きな傷や凹みがないか、下から覗き込んで慎重にチェックしましょう。 - オプション装備の有無:
パニアケース(と、それを取り付けるためのステー)、エンジンガード、グリップヒーターなど、高価な純正オプションが装着されている車両は、後から買い揃える費用を考えると非常にお買い得と言えます。
特に電子制御システムは後からの修理が高額になりがちです。可能な限り、スズキの正規ディーラーが販売する認定中古車や、保証の手厚い信頼できる販売店を選ぶことが、後悔を避ける一番の近道です。
総括:Vストローム1050の後悔しない選び方
記事のポイントをまとめます。
- Vストローム1050の購入で後悔しないためには事前の確認が重要
- 標準モデルのシート高は850mm、DEモデルは880mmと高い
- DEモデルの足つきは身長175cmが一つの目安となり人を選ぶ
- 純正ローダウンシートで約30mmの足つき改善が可能
- 標準モデル242kg、DEモデル252kgという重量を許容できるか
- 取り回しは試乗だけでなくエンジン停止状態での押し引きも確認する
- 現行モデルは2023年の改良で低中速の扱いやすさが向上している
- 旧型XTモデルはチューブレススポークホイールが魅力
- DEモデルはF21インチホイールで本格オフロード仕様
- 標準モデルはオンロードツーリングに適したキャストホイール
- 最高速性能より100-120km/h巡航時の快適性が最大の魅力
- 2025年モデルは大きな変更の可能性は低いと予想される
- エンジンガードはDEモデルは標準、標準モデルも転倒ダメージ軽減に有効
- 中古車選びは電子制御の動作確認とメンテナンス履歴を最重視する
- 自分の使用用途(オンロード中心かオフロードか)を明確にする