
カワサキモータース公式サイト
カワサキが誇る人気ネオレトロモデル、Z650RS。そのクラシカルな佇まいと現代的なパフォーマンスに魅了され、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、実際にバイクを手に入れるまでには、車両本体価格以外にも様々な費用がかかります。多くの方が抱く「結局、総額でいくら用意すれば良いのか?」という疑問に答えるため、この記事ではZ650RSの乗り出し価格を徹底的に深掘りします。
Z650RSは、そのデザインと性能のバランスから非常に評判が高く、初心者からベテランライダーのセカンドバイクまで、幅広い層に支持されています。その人気ゆえに「新車がなかなか買えない」という声が聞かれる一方、中古市場も活発です。レッドバロンをはじめとする大手販売店では、様々なコンディションの車両が見つかります。この記事を通じて、新車と中古それぞれの乗り出し価格のリアルな相場、価格に含まれる費用の詳細、そして後悔しないためのバイク選びのポイントまで、網羅的に理解を深めていきましょう。
この記事で分かる事
- Z650RSの新車と中古車の乗り出し価格の目安
- 乗り出し価格に含まれる諸費用の具体的な内訳
- 購入前に知っておきたいZ650RSのリアルな評判
- 賢い中古車選びのポイントと注意点
Z650RSの乗り出し価格【新車編】

ツーホイールズライフ・イメージ
- 新車価格と諸費用の内訳
- 購入前に知りたい評判
- 買えないと言われる理由
- 乗り出し価格を左右する諸費用とは?
- 公式スペックから見る魅力
新車価格と諸費用の内訳

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Z650RSの新車購入を計画する上で、最も基本となるのが乗り出し価格の計算です。結論から述べると、乗り出し価格の総額は車両本体価格に約7万円から10万円強の諸費用を加えた金額が一つの大きな目安となります。この諸費用が何に使われるのかを理解することが、納得のいく購入への第一歩です。
まず、カワサキモータースジャパンが公式に発表している2025年モデルのメーカー希望小売価格は1,078,000円(税込)です。Z650RSは、購入後の定期点検やオイル交換が一定期間無償または割引で受けられる「カワサキケアモデル」に指定されており、この価格にはそうした手厚いアフターサポートの価値も含まれています。
この本体価格に、法律で定められた税金や保険料、そして各販売店が設定する手数料が上乗せされ、最終的な乗り出し価格が算出されます。具体的な内訳を以下の表で詳しく見ていきましょう。
新車乗り出し価格の計算式
車両本体価格 + (法定費用 + 販売店手数料) = 乗り出し価格(支払総額)
項目 | 分類 | 内容 | 費用の目安 |
---|---|---|---|
車両本体価格 | - | バイクそのものの価格(カワサキケア含む) | 1,078,000円 |
自動車重量税 | 法定費用 | 車両の重量に応じて課される国税。新規登録時に3年分を納付します。 | 4,900円 |
自賠責保険料 | 法定費用 | 法律で加入が義務付けられている強制保険。対人事故の被害者救済が目的です。 | 約9,270円(25ヶ月契約) |
登録手数料 | 販売店手数料 | 運輸支局でのナンバープレート取得など、煩雑な車両登録手続きの代行費用です。 | 15,000円~30,000円 |
納車整備費用 | 販売店手数料 | 工場出荷状態の車両を安全に走行できるよう点検・整備する費用。油脂類の確認・補充、各部ボルトの増し締めなどが含まれます。 | 20,000円~40,000円 |
合計(乗り出し価格目安) | - | - | 約1,127,170円 ~ |
このように、計算上の乗り出し価格は約113万円前後からとなりますが、これはあくまで最低ラインの目安です。販売店によっては、これに加えて盗難防止登録の費用などが加わることもあります。したがって、最も正確な金額を把握するためには、必ず最寄りのカワサキプラザなどの正規ディーラーで見積もりを取得し、各項目の詳細な説明を受けることが不可欠です。
購入前に知りたい評判

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乗り出し価格を把握した上で次に重要になるのが、その価格に見合う価値があるのか、という点です。実際にZ650RSを所有するオーナーたちの声は、その判断を下すための貴重な情報源となります。多くのレビューで共通して語られるのは、「突出した性能よりも、乗って感じる純粋な楽しさ」であり、特に「軽さ、デザイン、パワー」の三要素が高次元でバランスしている点が絶賛されています。
Z650RSの良い評判・メリット(深掘り)
- 絶妙なバランス感:400ccクラスと錯覚するほど軽い188kgの車体に、68PSの扱いやすいエンジンを搭載。このパワーウェイトレシオが、街乗りでの軽快感と高速道路での余裕を両立させています。「バイクに操られる」感覚がなく、ライダーが主役になれる楽しさがあります。
- 優れたデザイン:1976年に登場した名車「Z650」、通称"ザッパー"のスタイリングを現代に蘇らせたデザインは、世代を問わず多くのライダーの心を掴みます。ティアドロップ型のタンクから流れるように続くテールカウルへのラインは、まさにZの血統を感じさせます。
- 軽快なハンドリング:スリムなトレリスフレームとアップライトなライディングポジションが、驚くほど素直なハンドリング性能を生み出しています。交差点一つ曲がるだけでも楽しく、ワインディングでは意のままに車体を寝かせていける旋回性能を誇ります。
- 扱いやすいエンジン特性:並列2気筒エンジンは低回転域から力強いトルクを発生させ、非常にスムーズです。さらに、クラッチレバーの操作を軽くし、急なシフトダウン時の衝撃を緩和するアシスト&スリッパークラッチが標準装備されており、渋滞時の疲労軽減やスポーツ走行時の安心感に大きく貢献しています。
一方で、完璧なバイクというものは存在しません。Z650RSにもいくつかの弱点や、ライダーの好みによってはデメリットと感じられる点があります。これらを事前に理解しておくことで、購入後のミスマッチを防ぐことができます。
Z650RSの悪い評判・デメリット(深掘り)
- 比較されがち:最大のライバルは、同じカワサキの兄貴分「Z900RS」です。あちらの持つ4気筒エンジンならではの迫力あるサウンドや、より重厚な所有感を求めるライダーにとっては、Z650RSは物足りなく感じられる可能性があります。
- タンク容量と航続距離:デザイン性を重視した結果、燃料タンク容量は12Lとやや少なめです。公式のWMTCモード燃費(23.6km/L)で計算すると、満タンでの航続距離は約283km。実際にはもう少し短くなるため、200km~230kmごとの給油計画がツーリングでは必要になります。
- カスタムパーツの選択肢:爆発的な人気を誇るZ900RSと比較すると、社外カスタムパーツ、特に外装関連の選択肢はまだ限られています。「自分だけの一台」を徹底的に作り込みたい場合は、パーツの少なさがネックになるかもしれません。ただし、マフラーやスライダーといった定番パーツは各社からリリースされつつあります。
- 価格設定:650ccクラスの2気筒エンジンモデルとして見ると、110万円を超える乗り出し価格は、競合他社のモデルと比較して割高に感じられることがあります。デザインやカワサキブランドにどれだけ価値を見出すかが、価格への納得感を左右します。
買えないと言われる理由

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「Z650RSが欲しいのに、契約しても納車が数ヶ月先」「そもそも店頭に在庫がない」。こうした声が聞かれる背景には、いくつかの複合的な要因が存在します。最大の理由は、やはり発売当初から続く圧倒的な人気に対して、生産供給が追いついていないというシンプルな需給バランスの問題です。
Z650RSは、大型二輪でありながらシート高が800mmと低めで、車体がスリムなため数値以上に足つきが良いのが特徴です。この安心感と軽量な車体は、これまで大型バイクを敬遠しがちだった小柄な方や女性ライダー、そして体力に不安のあるリターンライダー層から絶大な支持を集めました。結果として、想定を上回る幅広い層からの注文が殺到し、多くのバックオーダーを抱える状況が続いているのです。
実際にカワサキプラザのスタッフの方に話を聞くと、「発売から数年経った今でも、コンスタントに問い合わせがあり、特に人気カラーはすぐにご案内できない状況が続いています」とのことでした。購入を決めたら、まずは一日でも早く最寄りの正規販売店へ足を運び、予約リストに名前を連ねることが最も確実な方法と言えそうです。
加えて、近年の世界的なサプライチェーンの混乱も、生産ペースに少なからず影響を与えました。現在は状況が改善しつつありますが、一度積み上がったバックオーダーを解消するにはまだ時間を要するようです。特に新色が発表されたタイミングなどは注文が集中しやすいため、情報収集を怠らず、早めに行動を起こすことが入手への鍵となります。
乗り出し価格を左右する諸費用とは?

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前述の通り、バイクの乗り出し価格は車両本体価格と諸費用で構成されます。ここでは諸費用の中身をさらに深く理解し、予算計画をより現実的なものにしていきましょう。諸費用は、金額が法律で定められ全国一律の「法定費用」と、販売店が独自に設定する「販売店手数料」に大別されます。
法定費用:全国どこでも同じ、必須の費用
法定費用は、国に納める税金や法律で定められた保険料です。これらは非課税であり、どの販売店で購入しても金額は変わりません。
- 自動車重量税:バイクの重量や排気量に応じて課せられる税金です。新規登録時は、次の車検までの3年分(4,900円)をまとめて納付します。
- 自賠責保険料:「強制保険」とも呼ばれ、バイクを公道で走らせるために法律で加入が義務付けられています。料金は保険期間によって異なり、期間が長いほど一月あたりの保険料は割安になります。(参照:国土交通省 自動車総合安全情報)
- 印紙代:新規登録や車検などの手続きの際に、国に手数料として納める印紙・証紙の代金です。
販売店手数料:お店選びで総額が変わる費用
販売店手数料は、購入者が行うべき各種手続きや整備を、販売店が代行・実施するための費用です。料金はお店の方針やサービス内容によって異なります。
- 登録代行手数料:運輸支局でのナンバー登録手続きを代行してもらう費用。平日の昼間に自分で手続きに行けば節約できる費用ですが、多くの場合はお店に依頼します。
- 納車整備手数料:バイクを安全・快適に乗り始められるように行う最終チェックの費用です。バッテリーの充電、油脂類の点検、タイヤの空気圧調整、各部機能の作動確認など、その内容は多岐にわたります。この整備の質が、その後のバイクライフの快適さを左右することもあります。
見落としがちな「乗り出し後の費用」
乗り出し価格の見積もりに加え、任意保険料やヘルメット、ジャケット、グローブといったライディングギアの購入費用も忘れずに予算に組み込んでおきましょう。特に任意保険は、万が一の事故に備えるために必須です。年齢や免許の色、補償内容によって保険料は大きく変動するため、事前に複数の保険会社で見積もりを取っておくことを強くお勧めします。
公式スペックから見るZ650RSの魅力

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Z650RSの魅力は、単なる懐古趣味のデザインだけではありません。その美しい外観の内側には、現代の技術が凝縮されており、スペックの一つ一つが「乗る楽しさ」に直結しています。ここでは、カタログスペックを紐解き、それがライダーにもたらす具体的なメリットを解説します。
心臓部である水冷並列2気筒649cm³エンジンは、最高出力68PSを8,000rpmで発生します。この数値は、リッターバイクのような暴力的な加速力ではなく、日本の公道でライダーが気持ちよくエンジンを回し、パワーを使い切れる絶妙な設定です。特に6,700rpmで最大トルク63N・mを発生する低中速域重視のセッティングは、信号の多い市街地や、カーブが連続するワインディングロードで俊敏な走りを提供します。
そのエンジンを搭載する軽量なトレリスフレームは、Z650RSのキャラクターを決定づける重要な要素です。剛性と柔軟性を両立させたこのフレームが、車両重量188kgという軽さを実現し、ライダーに大きな安心感と自由自在なコントロール性能をもたらしています。
項目 | スペック | ライダーへのメリット |
---|---|---|
エンジン種類 | 水冷4ストローク並列2気筒 | 低回転からトルクフルで扱いやすく、燃費も良好。鼓動感も楽しめる。 |
車両重量 | 188kg | 取り回しが非常に楽で、立ちゴケのリスクが低い。軽快な走りを実現。 |
シート高 | 800mm | 数値以上に足つきが良い。スリムな車体と相まって小柄な方でも安心。 |
KTRC | カワサキトラクションコントロール | 滑りやすい路面での過度なホイールスピンを抑制。雨天時などの安全性を向上。(2023年モデル以降) |
クラッチ | アシスト&スリッパークラッチ | クラッチ操作が非常に軽くなる。急なシフトダウン時の後輪ホッピングを抑制。 |
これらのスペックが組み合わさることで、Z650RSは「見た目はクラシック、走りはモダン」という唯一無二のキャラクターを確立しています。日常の足から週末のツーリングまで、あらゆるシーンでライダーを満足させる懐の深さを持っているのです。より詳細な最新情報は、カワサキモータース公式サイトで確認することをお勧めします。
Z650RSの乗り出し価格【中古車編】

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- 中古車価格の相場
- レッドバロンでの中古車探し
- 中古車選びで注意すべきポイント
- 年式や走行距離で価格はどう変わる?
- 総括:Z650RSの乗り出し価格を徹底解説!新車・中古の目安
中古車価格の相場

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「新車の納車待ちが長い」「少しでも予算を抑えたい」そんな方にとって、中古車は非常に現実的で賢い選択肢となります。Z650RSは人気モデルであるため中古市場での流通量も豊富で、丁寧に探せば新車に引けを取らないコンディションの車両を見つけることも夢ではありません。
結論から言うと、Z650RSの中古車の乗り出し価格は、おおむね85万円から110万円の価格帯が中心となります。この価格幅は、車両の年式、走行距離、装着されているカスタムパーツ、そして車両の状態によって大きく変動します。走行距離が数百キロ程度の「未使用車」に近い個体であれば、新車の乗り出し価格を上回るプライスが付けられることも珍しくありません。
中古車情報サイトを分析すると、車両本体価格は安いもので70万円台後半から、高価なものでは100万円に迫るものまで様々です。重要なのは、この車両本体価格に加えて、新車と同様に登録手数料や納車整備費用などの諸費用が発生するという点です。したがって、中古車選びでは、必ず「支払総額」を基準に比較検討することが鉄則です。
支払総額(目安) | 車両の特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
85万円~95万円 | 走行距離が1万kmを超えているものや、年式が初期に近いモデルが中心。小傷などがある場合も。 | 価格を最優先し、多少の走行距離や使用感は気にしない人。 |
95万円~105万円 | 走行距離が数千km~1万km程度の中古車として最もバランスの取れたゾーン。状態の良いノーマル車が多い。 | コンディションと価格のバランスを重視し、長く乗りたい人。 |
105万円以上 | 走行距離が数百kmの低走行車や、高価なカスタムパーツが装着された車両。最新年式に近いものが多い。 | 新車に近い状態を求めつつ、納車待ちを避けたい人。カスタム費用を抑えたい人。 |
この表のように、自身の予算とバイクに求める条件を照らし合わせることで、狙うべき価格帯が見えてきます。中古車は一期一会です。日頃から情報サイトをチェックし、相場観を養っておくことが良い買い物への近道となります。
レッドバロンでの中古車探し

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中古バイクを探す上で、レッドバロンに代表されるような全国規模の大手販売店は、初心者からベテランまで多くのライダーにとって心強い味方となります。特にZ650RSのような人気車種を探す場合、そのネットワークとサービスは大きなメリットをもたらします。
最大の強みは、やはり圧倒的な在庫情報と「店舗間移動システム」です。レッドバロンの公式サイトでは、全国の店舗が保有する在庫を一括で検索できます。もしお目当てのZ650RSが遠方の店舗にあっても、最寄りの店舗まで取り寄せて現車を確認し、購入することが可能です。これにより、住んでいる地域に関わらず、全国の豊富な選択肢から理想の一台を探し出すことができます。
大手販売店(レッドバロンなど)で購入するメリット
- 充実した保証制度:多くの大手販売店では、購入後の一定期間または一定距離の保証を付帯しています。エンジンやフレームといった主要部品の故障に対応してくれるため、中古車購入の不安を大幅に軽減できます。
- 徹底された品質管理:販売される中古車は、専門のメカニックによって厳しい基準で点検・整備されています。修復歴の有無なども明確に開示されるため、品質に対する信頼性が高いと言えます。
- 全国規模のアフターサービス:購入後のメンテナンスや車検はもちろん、レッドバロンの「オイルリザーブシステム」のような独自の会員サービスも魅力です。また、ツーリング先での不意なトラブルでも、全国の店舗でサポートを受けられる安心感は絶大です。
もちろん、こうした手厚いサービスや保証は車両価格に反映されているため、個人経営の販売店と比較すると価格が若干高めに設定されている場合もあります。しかし、購入後の安心感や利便性を考えれば、その価格差は十分に価値のある投資と考えることができるでしょう。中古車選びに不安を感じる方ほど、まずは大手販売店のウェブサイトを覗いてみることをお勧めします。
中古車選びで注意すべきポイント

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中古車は、新車と違って「一点モノ」です。前オーナーの乗り方や保管状況によって、同じ年式・走行距離でもコンディションは千差万別。価格の安さや見た目の綺麗さだけで判断を急ぐと、後々思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。ここでは、後悔しない中古Z650RS選びのために、必ずチェックすべき重要なポイントを解説します。
最低限ここだけはチェック!中古車確認リスト
- エンジン周りの状態:可能であれば必ずエンジンをかけてもらいましょう。特にエンジンが完全に冷え切った状態からの「コールドスタート」で、異音なくスムーズに始動するかは重要です。始動後にアイドリングが不安定だったり、マフラーから白煙(オイル下がり・上がりの可能性)や黒煙(燃料が濃い可能性)が出ていないかも確認します。
- 車体の傷とフレーム:転倒歴の有無を推測する上で最も分かりやすいのが傷のチェックです。ハンドルバーエンド、ブレーキ・クラッチレバーの先端、ステップのバンクセンサー、マフラーのサイレンサーなどが左右非対称に削れていないかを確認します。最も重要なフレームに歪みや凹み、不自然な再塗装の跡がないかは入念にチェックしましょう。
- 足回りと消耗品の状態:タイヤの溝は残っているか、製造年月は古すぎないか。ブレーキパッドの残量は十分か。チェーンはサビや固着がなく、スプロケットの歯は尖りすぎていないか。これらの消耗品は交換にまとまった費用がかかるため、納車時に交換が必要になるのか、それともまだ使えるのかを販売店にしっかり確認することが肝心です。
- 各種書類の確認:「自動車検査証(車検証)」と「整備記録簿(メンテナンスノート)」は必ず見せてもらいましょう。車検証で所有者履歴や型式を確認し、整備記録簿で過去にどのようなメンテナンスが、いつ、どこで(正規ディーラーか否かなど)行われてきたかを確認します。記録がしっかり残っている車両は、それだけ大切に扱われてきた証拠と言えます。
バイクの知識に自信がない場合は、遠慮は禁物です。少しでも「あれ?」と思った部分は、納得できるまで販売店のスタッフに質問しましょう。「この傷の原因は何ですか?」「消耗品の次の交換時期の目安は?」など、具体的な質問を投げかけることで、スタッフの知識レベルやお店の信頼性も見えてきますよ。
年式や走行距離で価格はどう変わる?

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中古Z650RSの価格を形成する上で、最も分かりやすい指標となるのが「年式」と「走行距離」です。この二つの要素が価格にどのように影響し、選ぶ際にどう考えればよいのかを詳しく見ていきましょう。
年式:カラーリングと装備の違い
当然ながら、年式が新しいほど中古車価格は高くなる傾向にあります。Z650RSは2022年に国内で発売された比較的新しいモデルですが、年式によってカラーリングが異なります。「あの年のあの色が欲しい」というこだわりがある場合は、必然的にターゲットとなる年式が絞られます。
さらに重要なのが、年式による装備の差です。Z650RSの場合、2023年モデルからKTRC(カワサキトラクションコントロール)が標準装備されました。これは滑りやすい路面などでの安全性を高める重要な電子制御デバイスです。雨の日も乗る機会が多いライダーや、より高い安全性を求めるのであれば、2023年式以降のモデルを選ぶのが賢明です。この装備の有無は、中古車価格にも明確に反映されています。
走行距離:距離数と状態のバランスを見極める
走行距離は、エンジンや車体の消耗度合いを示す一つのバロメーターです。一般的に、走行距離が少ないほど状態が良いとされ、価格も高くなります。バイクの年間平均走行距離は3,000km~5,000kmと言われており、これを基準にすると車両の状態がある程度推測できます。
走行距離の考え方:「少ない=良い」とは限らない
ここで注意したいのは、「低走行=極上車」と安直に結論付けないことです。例えば、年式が古いのに走行距離が極端に少ない車両は、長期間動かされずに放置されていた可能性があります。その場合、エンジン内部やゴム製のパーツ(タイヤ、パッキン類)が劣化していることも考えられます。むしろ、年間5,000km程度をコンスタントに走り、定期的なオイル交換やメンテナンスを受けてきた車両の方が、機関の調子は良いことが多々あります。走行距離はあくまで目安の一つと捉え、整備記録簿の内容と合わせて総合的に判断する視点が重要です。多走行でもしっかりと整備されてきた車両は、非常にお買い得な「掘り出し物」である可能性を秘めています。
総括:Z650RSの乗り出し価格を徹底解説!新車・中古の目安
記事のポイントをまとめます。
- Z650RSの新車乗り出し価格の目安は約113万円からがスタートライン
- 中古車の乗り出し価格相場はコンディション次第で約85万円から110万円超
- 乗り出し価格とは車両価格に諸費用を加えた実際に支払う総額のこと
- 諸費用には全国一律の法定費用と販売店ごとに異なる手数料がある
- Z650RSは軽さ・デザイン・パワーの三要素が高次元でバランスしていると高評価
- メリットは400ccクラス並みの軽快なハンドリングと扱いやすいエンジン特性
- デメリットは12Lとやや小さいタンク容量やZ900RSと比較されがちな点
- 絶大な人気から新車は納車まで数ヶ月待つ可能性があることを覚悟する
- 中古車探しは保証やアフターサービスが充実した大手販売店の利用が初心者には安心
- 中古車選びではエンジン・車体・足回りの状態を必ず実車で入念に確認する
* タイヤやチェーンなどの消耗品の状態は乗り出し後の追加出費に直結する
* 2023年モデル以降はトラクションコントロールが標準装備されている
* 走行距離の少なさだけでなく定期的なメンテナンス履歴を重視することが賢い選択
* 見積もりを取る際は諸費用の詳細な内訳を必ず確認し不明点は質問する
* 最終的には新車・中古車問わず複数の店舗で見積もりや在庫を比較検討するのが最善策