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Z750FXはなぜ高い?1型・2型・3型の価格高騰の理由を解説

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Z750FXはなぜ高い?1型・2型・3型の価格高騰の理由を解説

ツーホイールズライフ・イメージ

カワサキZ750FXの価格が、近年著しく高騰しています。中古バイク市場でこの名前を目にするたび、その価格に驚く方も多いのではないでしょうか。「Z750FXはなぜ高いのか?」という疑問の背景には、このバイクが持つ特別な歴史と価値が存在します。

特に、Z750FX1型と2型の違いや、それぞれの相場は多くのファンが注目するポイントです。

また、3型の人気や相場についても知ることで、シリーズ全体の評価が見えてきます。インターネット上で「Z750FX売ります」といった個人売買の投稿を見かけることもありますが、購入には慎重な判断が求められます。

この記事では、Z750FXが高額で取引される理由を、各モデルの特徴や市場動向、そして希少価値の観点から徹底的に解説します。

この記事で分かる事

  • 各モデル(1型・2型・3型)の明確な違いと特徴
  • Z750FXの価格がなぜ高騰し続けているのか、その根本的な理由
  • 現在のリアルな中古市場価格と今後の価格変動の予測
  • 旧車購入で失敗しないための具体的な注意点やチェックポイント

Z750FXはなぜ高い?モデル別の特徴と価値

Z750FXはなぜ高い?モデル別の特徴と価値

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  • そもそもどんなバイク?
  • 1型と2型の違いを徹底比較
  • 1型の相場と圧倒的な希少価値
  • 2型の市場での評価と立ち位置
  • 3型の相場はいくら?
  • 3型の人気が低いと言われる理由

そもそもどんなバイク?

そもそもどんなバイク?

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カワサキ Z750FXは、1979年から1982年にかけて生産された、カワサキの歴史に名を刻むオートバイです。このバイクが誕生した背景には、当時の日本のバイク市場の事情が大きく関係しています。

フラッグシップモデルであったZ1000MK2は絶大な人気を誇っていましたが、排気量が1000ccクラスのため、日本では免許制度の壁がありました。そこで、より多くのライダーが乗れるように、Z1000MK2の設計思想やデザインを色濃く受け継ぎながら、エンジンを国内の免許制度に合わせた750ccクラスにスケールダウンして登場したのがZ750FXです。

直線的で角張った燃料タンクやテールカウルが特徴的なデザインから、ファンの間では「角Z(カクゼット)」という愛称で親しまれています。このシャープなスタイリングは、兄貴分であるZ1000MK2と共通しており、Z1/Z2の丸みを帯びたデザインとは一線を画すものでした。

Z750FXの基本スペック(1型)

エンジン 空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒
排気量 738cc
最高出力 70PS / 9,000rpm
最大トルク 5.9kgf・m / 7,500rpm
乾燥重量 219kg
フレーム ダブルクレードル

※スペックは1型(D2)のものです。年式等により異なる場合があります。

このように、Z750FXは単なる750ccバイクではなく、カワサキZの血統を受け継ぐ特別な一台として、今なお多くのライダーを魅了し続けているのです。

1型と2型の違いを徹底比較

1型と2型の違いを徹底比較

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Z750FXの中でも特に人気の高い1型(D2)と2型(D3)は、見た目が非常に似ているため混同されがちですが、細部にわたって改良が加えられています。主な違いを理解することで、それぞれのモデルの価値がより明確になるでしょう。

最も大きな違いは、走行性能に関わる足回りと点火系にあります。2型ではフロントフォークの仕様が変更され、フレームの剛性も向上したと言われています。これにより、直進安定性やコーナリング性能が改善されました。

また、点火方式が1型のポイント点火から2型ではトランジスタ点火に変更されており、メンテナンス性や始動性の向上が図られています。これは実際に所有して維持していく上で、大きなメリットと感じる方も多い部分です。

1型(D2)と2型(D3)の主な違い

項目 1型 (D2 / 1979年) 2型 (D3 / 1980年)
点火方式 ポイント点火 トランジスタ点火
フロントフォーク フォークトップがフラット エア圧調整バルブ付き
スイングアーム 一般的なプレス製 補強リブが追加
カラーリング ルミナスルビーレッドなど ルミナスダークレッドなど
その他 Z1000MK2に最も近い仕様 各部が熟成され信頼性が向上

見た目では判別しにくいですが、2型は1型のネガな部分を潰してより完成度を高めたモデルと言えます。どちらが良いというよりは、オリジナリティや歴史的価値を重視するなら1型、実際の走行性能や信頼性を重視するなら2型、という選び方ができそうです。

1型の相場と圧倒的な希少価値

1型の相場と圧倒的な希少価値

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Z750FX 1型は、シリーズの中で最も高い相場を形成しており、その価値は年々上昇し続けています。状態の良い車両であれば、300万円から500万円以上の値が付くことも珍しくありません。

この価格高騰の最大の理由は、その圧倒的な希少価値にあります。

まず、1型はZ1000MK2のイメージを最も色濃く反映した初期モデルであり、デザイン的な人気が非常に高いです。さらに、Z2から続く伝統の「Z系エンジン」を搭載した最後の750ccモデルという点も、ファンの心を掴んで離しません。

そして決定的なのが、その生産台数の少なさです。公的な記録はないものの、フレームナンバーから推測される1型の生産台数はわずか2,400台程度とされています。発売から40年以上が経過し、現存する個体、特にオリジナルの状態を保った車両はごくわずかです。この希少性が、コレクターズアイテムとしての価値を極限まで高めているのです。

Z750FX 1型の価値を支える3つの柱

  1. デザイン性:Z1000MK2直系の「角Z」としての完成されたスタイリング
  2. 歴史的価値:Z2の流れを汲む伝統のエンジンを搭載した最後の750ccモデル
  3. 希少性:約2,400台という極端に少ない生産台数と現存数の少なさ

2型の市場での評価と立ち位置

2型の市場での評価と立ち位置

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Z750FX 2型は、1型ほどの爆発的なプレミア価格ではないものの、中古市場では依然として高い人気を誇り、高値で取引されています。現在の相場は、おおむね200万円から350万円前後が中心です。

2型の市場での立ち位置は、「歴史的価値の1型、完成度の2型」と表現できます。前述の通り、2型は1型をベースに各部が改良されており、走行性能や信頼性が向上しています。そのため、コレクション目的だけでなく、実際に走りを楽しみたいと考える実走派のライダーから高く評価されているのが特徴です。

生産台数も1型よりは多いため、中古市場での流通量も比較的多く、選択肢が見つかりやすいというメリットもあります。しかし、それでも十分に希少なモデルであることに変わりはなく、価格は上昇傾向にあります。今後、状態の良い1型の個体がさらに減少・高騰すれば、2型の価値が相対的に見直され、価格がさらに上がる可能性も十分に考えられるでしょう。

3型の相場はいくら?

3型の相場はいくら?

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Z750FX 3型(E1)は、1型・2型と比較すると、市場での相場は落ち着いている傾向にあります。一般的な中古車価格は、150万円から250万円程度が目安となりますが、もちろん車両のコンディションによって価格は大きく変動します。

相場が比較的低い理由は、後述するエンジンとデザインの大幅な変更が大きく影響しています。従来の「角Z」のイメージを求めるファンからは、1型・2型が選ばれることが多いのが実情です。

しかし、これはあくまで1型・2型と比較した場合の話です。絶対的な価値としては、Z750FXシリーズの一台であることに変わりなく、旧車市場全体で見れば十分に高額なモデルと言えます。近年では1型・2型の価格が高騰しすぎたため、「現実的な選択肢として3型を」と考える層も増えており、相場は少しずつ上昇しています。

3型の人気が低いと言われる理由

3型の人気が低いと言われる理由

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Z750FX 3型の人気が1型・2型に及ばないとされる理由は、主に2つの大きな変更点に集約されます。

第一に、エンジンの変更です。3型では、それまでのZ2系の流れを汲むエンジンから、Z650(通称ザッパー)をベースとしたZ750E型エンジンに換装されました。このエンジンは軽量で高回転までスムーズに回る優れたものでしたが、Z2系エンジンが持つ重厚なフィーリングやサウンドとは特性が異なりました。この「味」の違いが、従来のファンには受け入れられにくかったのです。

第二の理由は、デザインの変更です。Z750FXの象徴であった角張ったタンクデザインが廃止され、丸みを帯びた流線的な形状のタンクに変更されました。これにより、「角Z」としてのアイデンティティが薄れてしまったことが、多くのファンをがっかりさせる要因となりました。

3型が敬遠されがちな理由

  • エンジンの変更:伝統のZ2系から、特性の異なるZ650系エンジンへ換装されたこと。
  • デザインの変更:「角Z」の象徴であった角型タンクが、丸みを帯びたデザインに変更されたこと。

ただ、技術的な視点で見れば、3型はシリーズの熟成モデルであり、走行性能や耐久性の面では優れている部分も多くあります。そのため、モデルの背景を理解した上で、その走りを楽しむライダーからは再評価の動きも見られます。

Z750FXはなぜ高い?市場価格と購入時の注意

Z750FXはなぜ高い?市場価格と購入時の注意

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  • 旧車ブームが価格高騰に与える影響
  • 純正部品の供給不足とレストア事情
  • 海外需要の拡大と国内流通数の減少
  • 「Z750FX売ります」投稿を見る際の注意点
  • まとめ:Z750FXはなぜ高い?1型・2型・3型の価格高騰の理由を解説

旧車ブームが価格高騰に与える影響

旧車ブームが価格高騰に与える影響

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Z750FXの価格高騰を語る上で、近年の旧車ブームは避けて通れない要素です。このブームは、複数の要因が絡み合って形成されています。

一つは、カワサキのZ900RSのようなネオクラシックバイクのヒットです。現代の技術で往年の名車のスタイルを再現したバイクが登場したことで、元となったオリジナルのZ系モデルへの関心が再燃しました。これにより、若い世代にも旧車の魅力が伝わり、需要の裾野が広がっています。

また、単なる趣味の乗り物としてだけでなく、「資産」としての価値が見出されていることも大きな要因です。Z750FXのような希少価値の高いモデルは、時間が経つにつれて価値が上がる傾向にあるため、投資目的で購入する層も増えています。このような動きが、市場価格をさらに押し上げる結果につながっているのです。

さらに、当時Z750FXに憧れていた世代が経済的な余裕を持ち、「あの頃の夢を叶えたい」と購入するケースも多く、根強い需要が価格を支えています。

純正部品の供給不足とレストア事情

純正部品の供給不足とレストア事情

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Z750FXの価格が高い理由の一つに、維持・修理の難しさが挙げられます。発売から40年以上が経過した旧車であるため、メーカーによる純正部品の供給はほとんど終了しています。

そのため、修理やレストア(復元)を行うには、当時物の未使用品(デッドストック)や中古部品を探し出す必要があります。しかし、これらの部品は非常に希少で、それ自体が高額で取引されているのが現状です。特に、外装パーツやエンジン内部の重要部品は入手が極めて困難になっています。

旧車を維持する上での課題

近年は、社外メーカーが製造するリプロダクションパーツ(復刻部品)も増えてきましたが、品質は様々です。精度の低い部品を使うと、バイクの寿命を縮めることにもなりかねません。したがって、Z750FXを良好な状態で維持するには、高額な部品代だけでなく、信頼できる専門ショップの知識と技術が不可欠となり、結果的に車両全体の価値を高めているのです。

海外需要の拡大と国内流通数の減少

海外需要の拡大と国内流通数の減少

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国内の需要だけでなく、海外からの旺盛な需要もZ750FXの価格を高騰させている大きな要因です。近年、日本の1970〜80年代のオートバイは「JDM (Japanese Domestic Market)」として海外のコレクターから絶大な人気を集めています。

中でもカワサキのZシリーズは世界的にブランド化しており、Z750FXもその例外ではありません。海外のバイヤーが日本のオークションや中古市場で積極的に買い付けを行っているため、国内で流通するZ750FXの個体数が物理的に減少しています。

市場の原理として、需要が高いにもかかわらず供給(モノの数)が減れば、価格は自然と上昇します。日本の宝とも言える貴重な旧車が次々と海外へ流出している現状が、国内での入手をさらに難しくし、価格の上昇に拍車をかけているのです。

「Z750FX売ります」投稿を見る際の注意点

「Z750FX売ります」投稿を見る際の注意点

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価格が高騰している影響で、インターネットの個人売買サイトやSNSで「z750fx売ります」といった投稿を見かける機会も増えました。しかし、個人売買には大きなリスクが伴うため、購入を検討する際は細心の注意が必要です。

車両状態の確認

最も重要なのが車両の状態です。旧車であるため、見た目は綺麗でも、エンジン内部やフレームに深刻なダメージを抱えている可能性があります。オイル漏れの有無、フレームのサビや補修歴、電装系の動作などを必ず確認しましょう。「現状販売」という言葉は、「購入後に何が起きても保証しない」という意味と同義だと考えるべきです。

書類の確認

車検証や譲渡証明書など、名義変更に必要な書類が全て揃っているかを確認することは絶対条件です。書類に不備があると、そもそも公道を走ることができません。盗難車などのトラブルを避けるためにも、フレーム番号とエンジン番号が車検証の記載と一致しているかを必ず確認してください。

現車確認は必須

写真や動画だけで判断するのは非常に危険です。可能な限り現車確認を行い、専門知識のある友人や信頼できるバイクショップの整備士に同行してもらうのが理想的です。高額な買い物だからこそ、安易な判断は避け、信頼できる専門店からの購入も視野に入れて慎重に検討することをお勧めします。

まとめ:Z750FXはなぜ高い?1型・2型・3型の価格高騰の理由を解説

Z750FXの価格が高騰している背景には、単一ではない、複合的な理由が存在します。この記事で解説したポイントを以下にまとめます。

  • Z1000MK2をベースとした「角Z」と呼ばれるシャープなデザインが高い人気を誇る
  • 生産期間が1979年から1982年と短く、全体的な生産台数が少ない
  • 特に1型はZ2系エンジンを搭載した最後の750ccとして歴史的価値が高い
  • 1型の推定生産台数は約2,400台と極めて少なく、圧倒的な希少価値を持つ
  • 2型は1型をベースに改良が施され、走行性能と信頼性が向上している
  • 3型はエンジンとデザインの変更により、1型・2型とは異なる評価をされている
  • 旧車ブームにより、趣味の対象だけでなく資産や投資対象としての需要が増加
  • 海外のコレクターからの需要が非常に高く、日本の個体が海外へ流出している
  • 結果として国内で流通する車両の数が年々減少している
  • メーカーによる純正部品の供給が終了しており、入手が困難
  • オリジナル状態を維持するための修理やレストアに高額な費用がかかる
  • リプロダクションパーツも存在するが、品質の見極めが重要になる
  • 状態の良いフルオリジナルの車両は極めて希少で、プレミア価格で取引される
  • カワサキの「Z」というブランド自体が持つ強い訴求力と歴史的背景
  • これらの要因が複雑に絡み合い、需要と供給のバランスが崩れ価格が高騰している

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