
ツーホイールズライフ・イメージ
クラシカルなデザインと鼓動感あふれる乗り味で人気のホンダGB350。そのままでも十分に魅力的ですが、「自分だけの特別な一台に仕上げたい」と考え、カフェレーサースタイルに憧れる方も多いのではないでしょうか。しかし、実際にカスタムを考え始めると、GB350をベースにしたカスタムの情報は多岐にわたります。具体的にどのようなパーツを選べば良いのか、ハンドルやシートの選び方、印象を大きく変えるカウルの有無、そして気になるカフェレーサーのカスタム費用など、疑問は尽きません。
また、これから車両を手に入れる方にとっては、新車にするかGB350カフェレーサーの中古車を探すかという選択肢もあります。幸い、デイトナ製パーツのような有名メーカー品や、手軽に始められるカフェレーサーキットも登場しており、カスタムのハードルは下がりつつあります。この記事では、GB350を理想のカフェレーサーに仕上げるための具体的な情報とカスタム例を、網羅的に解説していきます。
記事のポイント
- GB350をカフェレーサーにする魅力と注意点
- カスタムにかかる費用の目安と車両の入手方法
- スタイルを決定づける主要なカスタムパーツの種類と特徴
- デイトナなどのメーカー別パーツとカスタム事例
理想のGB350カフェレーサーを実現する基本

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- カスタムベースとしてのGB350の魅力
- カスタム費用は?
- 中古車選びのコツ
- カスタム前に知っておきたいポジションの話
カスタムベースとしてのGB350の魅力

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GB350がカフェレーサーカスタムのベース車両として絶大な人気を誇る理由は、その素性の良さにあります。バイクの心臓部であるエンジンは、空冷単気筒(シングルエンジン)を採用しており、低回転から力強く、心地よい鼓動感を味わえるのが特徴です。このクラシカルなエンジン形式は、カフェレーサーが生まれた時代の雰囲気と見事にマッチします。
また、華美な装飾を排したシンプルな車体構成も大きな魅力です。ティアドロップ型の燃料タンクや美しいフィンが刻まれたエンジンなど、元々のデザインが優れているため、少しパーツを交換するだけで、がらりと印象を変えることができます。近年では様々なパーツメーカーから専用のカスタムパーツが豊富にリリースされており、オーナーが自分の理想を追求しやすい環境が整っている点も、カスタムベースとして選ばれる大きな理由と言えるでしょう。
GB350がカスタムベースに最適な理由
- クラシカルな空冷単気筒エンジン:カフェレーサーの雰囲気にぴったりの鼓動感と見た目。
- シンプルな車体デザイン:カスタムの方向性を限定せず、自由な発想を活かせる。
- 豊富なカスタムパーツ:国内外のパーツメーカーから専用パーツが多数販売されている。
カスタム費用は?

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GB350のカフェレーサーカスタムにかかる費用は、どのレベルまで手を入れるかによって大きく変動します。ここでは、カスタムの度合いを3つの段階に分け、費用の目安を解説します。
ライトカスタム:5万円~15万円
まずは雰囲気を楽しみたいという方におすすめなのがライトカスタムです。カフェレーサーの象徴であるハンドル交換(セパレートハンドルやコンチネンタルハンドル)と、バーエンドミラーの装着が中心となります。これだけでもバイクの印象は大きく変わります。
ミドルカスタム:15万円~40万円
ライトカスタムの内容に加え、シングルシートやショートフェンダー、マフラーなどを交換する段階です。スタイルがより本格的になり、所有満足度も格段にアップします。特にシートとマフラーはバイク後方のシルエットを決定づける重要なパーツです。
フルカスタム:40万円~
上記のカスタムに加え、バックステップの導入、カウルの装着、サスペンションの交換、オールペイントなど、細部に至るまで手を入れる本格的なカスタムです。費用は高額になりますが、まさに「自分だけの一台」と呼べるマシンが完成します。
カスタムレベル | 主なカスタム内容 | 費用目安(部品代のみ) |
---|---|---|
ライトカスタム | ハンドル、ミラー交換 | 5万円~15万円 |
ミドルカスタム | 上記に加え、シート、マフラー、フェンダー交換など | 15万円~40万円 |
フルカスタム | 上記に加え、バックステップ、カウル、足回り、塗装など | 40万円~ |
これらの費用はあくまで部品代の目安です。自分で作業を行わず、バイクショップに依頼する場合は、別途で工賃が発生します。特に配線加工が必要な電装系や、専門知識を要する足回りの交換は、プロに任せるのが安心です。
中古車選びのコツ

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カスタムベースとしてGB350を探す際、新車ではなく中古車を選ぶという選択肢もあります。費用を抑えられる可能性がある一方で、注意すべき点も存在します。
中古車選びの最大のメリットは、初期費用を抑えられることです。浮いた予算をカスタム費用に回すことができます。また、前のオーナーがある程度カスタムしている車両であれば、好みに合えばお得にパーツを手に入れられるケースもあります。
一方で、デメリットは車両の状態が一定でないことです。特にカスタム車両の場合、配線などが雑に処理されている可能性も考えられます。中古車を選ぶ際は、以下のポイントを確認することをおすすめします。
中古GB350のチェックポイント
- エンジン:異音がないか、オイル漏れはないか。
- フレーム:転倒による大きな傷や歪みがないか。
- 足回り:フロントフォークのオイル漏れや、ホイールの振れがないか。
- 走行距離:年式相応か、極端に少なくないか(逆に長期間放置されていた可能性も)。
- カスタム箇所:どのようなパーツが使われ、どのような処理がされているか。
信頼できるバイクショップで購入するのが最も安心な方法です。保証が付いている車両であれば、購入後のトラブルにも対応してもらいやすくなります。
カスタム前に知っておきたいポジションの話

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GB350をカフェレーサー仕様にする上で、最も注意したいのがライディングポジションの問題です。憧れのセパレートハンドル(セパハン)を装着すれば、確かに見た目はレーシーになります。しかし、安易なハンドル交換は、かえって乗り心地を損なう原因になりかねません。
その理由は、GB350のノーマルのステップ位置にあります。GB350のステップは、着座位置に対してやや前方(ミッドコントロール)に設定されています。この状態でハンドルだけを低くすると、上半身だけが深く前傾し、膝が窮屈に曲がり、腰への負担が大きい不自然な「エビのような姿勢」になってしまうのです。
「見た目はカッコよくなったけど、少し走るだけで腰も腕も痛くなってしまう…」なんてことになりかねません。これを解消するためには、ハンドル交換と合わせてバックステップを導入するのが理想的です。バックステップを装着することで、ステップ位置が後方に下がり、自然で一体感のある前傾姿勢を作り出すことができます。
もちろん、バックステップは高価なパーツです。まずはハンドル交換から試してみて、自分の体格や乗り方に合わせてステップの交換を検討するというのも一つの手です。ただ、このようなポジションの変化があることは、カスタムを始める前に必ず理解しておくべき重要なポイントと言えます。
GB350カフェレーサーの主要カスタムパーツ

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- ハンドルで見た目も一新
- スタイルを決めるシート
- カウルを装着する
- 手軽に始めるキット
- 定番のデイトナ製パーツ
- 総括:GB350カフェレーサー化計画!費用とパーツを徹底解説
ハンドルで見た目も一新

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カフェレーサースタイルの要となるのが、低く構えたハンドルです。GB350のゆったりとしたノーマルハンドルから交換することで、バイクの印象は劇的に変わります。主に2種類のハンドルが人気です。
セパレートハンドル(セパハン)
左右のハンドルが独立しており、フロントフォークに直接取り付けるタイプです。最もレーシーで本格的な見た目になり、深い前傾姿勢を作り出します。高さや絞り角を調整できる製品も多く、好みのポジションを探求できるのが魅力です。ただし、前述の通り、ポジションがきつくなりやすいため、バックステップとの併用が推奨されます。
コンチネンタルハンドル(一文字ハンドル)
一本のバー形状でありながら、ノーマルよりも低く、やや手前に絞られた形状のハンドルです。セパハンほどポジションがきつくならず、比較的気軽にカフェレーサーの雰囲気を楽しめます。ノーマルのケーブル類をそのまま使用できる場合も多く、コストを抑えたい方や、初めてのハンドルカスタムにおすすめです。
スタイルを決めるシート

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ハンドルと並んで、カフェレーサースタイルを決定づけるのがシートです。ノーマルのダブルシートから交換することで、リア周りが引き締まり、スタイリッシュなシルエットが生まれます。
主流となるのは、一人乗り専用のシングルシートです。シート後方が盛り上がった「シートカウル」と一体になったデザインが多く、レーサーのような雰囲気を演出します。座面には、タックロール(横方向の縫い目)やダイヤモンドステッチ(ひし形の縫い目)が施されたものが人気で、クラシカルな質感を高めてくれます。
シートを選ぶ際は、デザインだけでなく、足つき性や座り心地も考慮しましょう。メーカーによっては、座面のウレタン素材にこだわり、長距離でも疲れにくい製品も開発されています。
シングルシートに変更すると乗車定員が2名から1名に変更になります。それに伴い、構造変更検査が必要になるため注意が必要です。詳しくは、管轄の運輸支局やカスタムショップにご確認ください。
カウルを装着する

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より本格的なレーサースタイルを目指すなら、カウルの装着が効果的です。カウルは見た目のインパクトだけでなく、走行風を軽減する効果も期待できます。
ビキニカウル
ヘッドライト周りを覆う小型のカウルのことです。車体全体のイメージを大きく変えることなく、精悍なフロントフェイスを演出します。取り付けも比較的容易な製品が多く、気軽に挑戦できるカスタムの一つです。
ロケットカウル
ヘッドライトからハンドル周りまでをすっぽりと覆う大型のカウルです。1960年代のレーシングマシンを彷彿とさせる、まさにカフェレーサーの象徴とも言えるパーツです。圧倒的な存在感を放ちますが、価格も高価で、取り付けには専門的な知識や加工が必要になる場合があります。
カウルを装着すると、バイクのボリュームが増し、より重厚感のあるスタイルになります。自分の目指す方向性に合わせて、カウルの有無や種類を選択しましょう。
手軽に始めるキット

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「パーツを一つ一つ選ぶのは大変」「パーツ同士の相性が心配」という方には、カスタムキットの活用がおすすめです。
ここで言う「キット」とは、特定のスタイルを構築するために必要なパーツがセットになった商品のことを指します。例えば、ハンドル、シート、フェンダー、灯火類などを一つのメーカーがセットで販売しているケースです。
キットを利用する最大のメリットは、パーツ同士の統一感が生まれ、完成度の高いカスタムを手軽に実現できる点です。各パーツがGB350専用に設計されているため、フィッティングに関する心配が少なく、取り付けもスムーズに進めやすいでしょう。
まだGB350のカスタムパーツ市場は発展途上ですが、デイトナをはじめとする大手メーカーが、特定のコンセプトに基づいたパーツ群を「シリーズ」として展開しています。これらをまとめて装着することで、キットに近い感覚で統一感のあるカスタムを楽しむことができます。
定番のデイトナ製パーツ

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数あるパーツメーカーの中でも、特にGB350のカフェレーサーカスタムで高い人気を誇るのがデイトナ(Daytona)です。
デイトナは、東京モーターサイクルショーなどで完成度の高いGB350のカスタムデモ車を展示し、多くのライダーから注目を集めました。デイトナが展開するパーツは、カフェレーサースタイルを構築するための主要なものが網羅されています。
デイトナ製GB350パーツの例
- セパハンセット:垂れ角が調整可能で、スイッチボックスの穴あけ加工も不要な親切設計。
- カフェレーサースタイルシート:美しい曲線を描くFRP製のシートベースに、クラシカルな表皮を組み合わせた逸品。
- 各種カバー類:エンジン周りをドレスアップするフィン付きのジェネレーターカバーやインジェクションカバー。
- リアサスペンション:走りの質を高めるローダウンタイプのリアショックもラインナップ。
デイトナのパーツは、デザイン性の高さはもちろん、品質や取り付けやすさにも定評があります。何から手をつければ良いか分からないという方は、まずデイトナのカタログを眺めて、自分の理想のスタイルをイメージしてみるのが良いでしょう。
総括:GB350カフェレーサー化計画!費用とパーツを徹底解説
記事のポイントをまとめます。
- GB350はシンプルな構造とデザインでカスタムベースに最適
- カフェレーサーカスタムはハンドルの交換から始めるのが王道
- 費用はライトカスタムなら5万円程度から検討可能
- 本格的なスタイルにはシートやマフラーの交換が効果的
- セパハンを付ける際はポジションがきつくなりやすい点に注意
- バックステップの導入で自然な前傾姿勢が実現できる
- 中古車をベースにする際は車両の状態を慎重に確認する
- 一人乗り仕様のシングルシートは構造変更検査が必要な場合がある
- ビキニカウルやロケットカウルでよりレーシーな雰囲気を演出
- パーツ選びに迷ったらメーカーが提案するキットやシリーズ品が便利
- 大手パーツメーカーのデイトナは高品質な専用パーツが豊富
- カスタムは見た目だけでなく乗り心地や安全性も考慮する
- 少しずつパーツを交換して変化の過程を楽しむのも醍醐味
- 信頼できるショップに相談しながらプランを立てるのが安心
- 世界に一台だけのマシンを作り上げる喜びは格別